サポーター体験記304

アニメだけじゃない! 資源豊かな練馬の映像文化をもっと楽しもう!

取材日令和5年12月20日
更新日令和6年2月13日

「映像∞文化のまち ねりま」というWebサイトをご存知ですか? 練馬には、東映東京撮影所、日本大学芸術学部、ワーナー ブラザース スタジオツアー東京など、映像文化に関する資源がいっぱい! Webサイトでは有名な俳優さんたちも登場し、様々な切り口で映像と文化について紹介しています。その歴史と現在の取り組みや、今後の計画について、発信元の区役所担当係にお話を聞いてきました。

練馬区地域文化部文化・生涯学習課

※以下、文中敬称略。

文化芸術担当係長/村上 悟視(むらかみ さとし)さん
住所:練馬区豊玉北6-12-1
電話:03-5984‐1358(直通)
URL:https://nerima-eizobunka.com/

コンテンツが充実! 進化中のWebサイト「映像∞文化のまち ねりま」

――「映像∞文化のまち ねりま」というWebサイトを見つけて、そのコンテンツに興味を持ちました。このサイトはどういった経緯で作ったのですか?

練馬区地域文化部文化・生涯学習課 文化芸術担当係長の村上さん

村上「文化芸術担当係は、映画やアニメなどの映像文化資源を活かし、ソフトとハードが一体となった夢のあるまちづくりを行うことを目的としています。サイトは令和3年(2021年)に開設しました。きっかけとなったのは、コロナ禍。もともとは上映会などの集客イベントを予定していましたが、いずれも中止や延期になるばかりで…。区民の方に自宅で楽しんでいただけるように事業内容を変更したのが始まりです」

Webサイト「映像∞文化のまち ねりま」トップページ

――サイトには練馬と映像文化の歴史をはじめ、ゲストを迎えての対談動画やインタビュー、コラムなど、内容の充実ぶりに驚きました。反響はいかがですか?

村上「カジュアルな作りになっていて、いい意味で『区のWebサイトっぽくないね』と好評の声をいただいています。開設時はこれほど内容が多くなかったのですが、長引くコロナ禍で『ねりま映画サロン』というオンライン配信事業を始めるなど、アーカイブを蓄積してコンテンツを充実させていきました」

「ねりま映画サロン」のチラシ。「映像∞文化のまち ねりま」サイト内で動画を公開中!

――「ねりま映画サロン」は日本を代表する名優が登場していて、華やかですね。

村上「はい。練馬区の多彩な映像資源に着目して、より文化的で豊かな暮らしを提案するという構想で、令和3年(2021年)11月、『映像∞文化のまち構想』を策定しました。それに沿って、令和4年(2022年)10月にサイトリニューアルを行い、現在のような形になりました」

「映像∞文化のまち構想」

――練馬といえばアニメのイメージがありますが、練馬と映像文化の歴史について教えてください。

村上「昭和33年(1958年)、日本初のカラー長編アニメーション映画『白蛇伝』が、東映動画(現 東映アニメーション)によって公開され、ここから日本の本格的なアニメ作品の制作が始まりました。これが『ジャパンアニメーション発祥の地』と言われる理由です。しかし、広く“映像文化”という観点で話すと、さらにさかのぼって昭和7年(1932年)、向山(豊島園)に不二映画撮影所が設立されたのが最初です」

――戦前から練馬に映画撮影所があったんですね。

村上「現在の東映東京撮影所の前身である新興キネマ東京撮影所は、昭和10年(1935年)に開所しました。戦時中に軍需工場に売却され、戦後は閉鎖していましたが、昭和22年(1947年)に太泉スタジオが設立し、昭和26年(1951年)に他2社と合併して東映東京撮影所になりました。日本大学芸術学部は昭和14年(1939年)に江古田に移転してきました。日本初の本格的オール・トーキー(発声映画)が制作されたのが昭和6年(1931年)なので、黎明期の頃から、練馬には映像制作関連の企業や施設が集まってきていたと言えます」

「映像∞文化のまち ねりま」の歩み。昭和初期から長い年月をかけて育まれてきました

名優たちの珠玉のエピソードが聞ける「ねりま映画サロン」

――サイトの大きな柱になっている対談動画「ねりま映画サロン」ですが、どのような事業なのですか?

村上「俳優さん自身の映画人生や、東映東京撮影所を中心とした練馬でのエピソードを語っていただくオンライン配信事業です。令和3年(2021年)3月から始めて、現在第5弾まで配信されています。ゲストに、第1弾は佐久間良子さん、第2弾は千葉真一さん、第3弾は仲代達矢さん、第4弾は伊東四朗さん、第5弾は西田敏行さんをお迎えしました。俳優・タレントの毒蝮三太夫さん、演出家・編集者の髙平哲郎さん、フリーアナウンサーの山川静夫さん、長峰由紀さんといった対談相手との軽快なやり取りに、思わず笑ってしまいながらも本当に貴重なエピソードばかりです」

――村上さんが印象に残っている俳優さんとのエピソードはありますか?

村上「千葉真一さんに『ねりま映画サロン』の撮影でお会いした時に、あの強い目力で『この素晴らしい取り組みを、ぜひ続けていってください。応援しています』と激励のお言葉をくださり、とても感動しました。その後、千葉さんがお亡くなりになった時は大変ショックでした。生前にお話を伺うことができ、こうして動画を残すことができて、本当によかったと思います」

「ねりま映画サロン」第2弾「毒蝮三太夫×千葉真一×髙平哲郎」対談動画(2021年3月30日配信)

オンラインからリアルイベントへ

――コロナ禍でオンライン配信が加速度を増して普及しました。手軽に映画を見られるようになった反面、劇場で観る映画とは別物という考えもあると思いますが…。

村上「そういった声は多くいただきます。新型コロナウイルスの感染状況を考慮しながら、令和4年(2022年)3月、練馬文化センターで上映会を行いました。ねりま映画サロンの第3弾までが終わったところだったので、佐久間さん、千葉さん、仲代さんの出演作から3本の映画を選びました。『劇場で映画を観るのが久しぶりで楽しかった』『やはり大スクリーンで観ることこそ映画の醍醐味』といった感想をいただきました。オンライン配信によって多くの方に観ていただけるようになりましたが、それとは別に、劇場で観賞するニーズはまだまだあるのだと認識しました」

練馬文化センターで開催した「ねりま映画サロン 特別上映会」。「五番町夕霧楼」「切腹」「柳生一族の陰謀」の3本を上映しました(2022年3月)

――これから上映会などリアルイベントを増やしていく予定はありますか?

村上「子どもから大人まで、いろんな世代の方に楽しんでいただきたいという思いがあります。令和5年(2023年)6月のワーナー ブラザース スタジオツアー東京のオープンに合わせて、同年2月にユナイテッド・シネマとしまえんで、『ハリー・ポッター』シリーズ全8作品一挙上映会、10月に『ファンタスティック・ビースト』シリーズ3作品上映会を行ったところ、大変好評でした。改めて、区内関係機関と協力して連携をとりながら、映像文化を発信していくことが大切だと実感しました。作品や会場はもちろんですが、知見もお借りしながら、区民の皆さんに楽しんでいただける企画をこれからも考えていければと思います。より一層、練馬を盛り上げていきたいです」

ユナイテッド・シネマとしまえんで開催した「ハリー・ポッターシリーズ全8作品一挙上映会」の様子。作品に関わった声優や、シリーズのファンである俳優など多彩なトークゲストを迎え、会場は大盛況!(2023年2月18日、19日、25日、26日)

――「ねりま映画サロン」「ねりま映像人インタビュー」など充実したコンテンツがたくさんありますが、これから企画していることなどはありますか?

村上「令和6年1月に新企画『ねりマニアックス』を始めました。初回のゲストには、俳優・声優の千葉繁さんに出演いただいています。これまでの企画と少し視点を変えて、ゲストに練馬と縁の深い映像作品について、ちょっとマニアックに語っていただく連載トークエッセイとなっています。是非、楽しんでいただきたいです!

サイトが本格的に稼働してまだ1年半弱、もっと多くの方に見ていただけるよう、内容の充実に合わせて、広報活動もしっかり行っていきたいと思っています」

「ねりま映像人インタビュー」のコーナーでは、東映東京撮影所や東映アニメーション、日本大学芸術学部など、練馬とゆかりのある映像制作関係者の方々のインタビューを掲載しています

シニアナビねりまの読者へメッセージ!

村上「誰もが活き活きと暮らすために、子育て支援や福祉医療の充実と合わせて、文化芸術行政も不可欠と考えています。どちらかではなく一体的に進めていきたい。その中でも、映像文化事業は始まったばかりです。まだまだ区民の皆さんに楽しんでいただける可能性がある分野です。まずは『映像∞文化のまち ねりま』にアクセスしていただいて、ぜひ、ご意見や応援をよろしくお願いいたします!」

映像文化と教育連携事業の様子
サポーターによる取材の様子。大好きな映画の話に花が咲き、脱線することもしばしば(笑)

各々の映画にまつわる思い出話、文化芸術行政へのアイディアも飛び出しました。そんな多くの人に愛される映像文化の資源が、練馬には豊富にあることが分かりました。これからも進化していく練馬の映像文化事業に注目していきましょう!

サポーターの取材後記

ミスターヒワダ

対談動画「ねりま映画サロン」に出演いただいた俳優さんのオーラに圧倒された、と語る村上さんの表情が印象的でした。中でも千葉真一さんにあの強い眼差しで「活動を応援している」と熱い言葉をいただいたことに感激されたそうです。練馬は古くから映像文化の発信地であることを改めて認識しました。「練馬には映像文化がある」と言えるようになるには、広く世間に認知される必要があると思います。いかに、他の団体と連携を深めて情報発信していくか、今後の活動に期待しています。

Nokko

映画大好き人間の私はこの取材に飛びつきました。お話を伺うと、映画にゆかりのある練馬として、これからいろいろな形で映像文化を取り上げていくということでした。定期的に開催されていたいくつかの映画会に参加していたこともありましたが、いつの間にかなくなり残念に思っていました。今回の取り組みの展望を伺うと、さまざまな企業や学校とのコラボも考えているようで期待が高まりました。古い映画は高齢者の楽しみのようですが、残っている物にはその良さがあると思います。新しいものも時代が移っていきます。「アニメの練馬」と言われますが、「映像の練馬」で世界から人を呼べたら素晴らしいですね。演劇ファンとしては、演劇にも力を入れてほしいとお願いしてしまいました。

プカプカ

実はこの企画が提案されるまで、「映像∞文化のまち ねりま」というサイトを知らなかった。それもそのはず、令和3年(2021年)3月に試験的にお目見えし、翌年の令和4年(2022年)10月にリニューアルオープンしたばかり。一方で、練馬区の映像文化の歴史は実に昭和7年(1932年)までさかのぼり、豊島園に不二映画撮影所が設立されたのが始まりだという。その後の変遷は大泉学園に新興キネマ東京撮影所(のちに太泉スタジオ)、江古田に日大芸術学部、戦後になって大泉学園に東京東映撮影所と「白蛇伝」や「西遊記」を生み出す東映動画の設立、そしてワーナー ブラザース スタジオツアー東京と枚挙に暇がない。懐かしい映画のタイトルや俳優名も飛び出して、映画好きな私にとっては楽しいひとときだった。映画関係者はもちろん、学生たちとのコラボなど無限の可能性を秘めた「映像∞文化のまち ねりま」に今後も期待したい。


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