サポーター体験記297

〜練馬区唯一のシティホテル〜 地域に根差した「ホテルカデンツァ東京」の多彩な楽しみ方

取材日令和5年9月1日
更新日令和5年10月10日

都心に行かなくても、練馬区内でワンランク上の“非日常”を味わえる「ホテルカデンツァ東京」。レストランや結婚式場、宴会場を備えた総合型ホテルでありながら、地域に根差した取り組みやイベントを数多く行い、地域住民に親しまれています。総支配人の塚原和幸さんと広報担当の川島晶さんにお話を伺い、館内を案内していただきましたので、ホテルカデンツァ東京の魅力をたっぷりとご紹介します!

ホテルカデンツァ東京

※以下、文中敬称略。

総支配人:塚原 和幸(つかはら かずゆき)さん
広報担当:川島 晶(かわしま あきら)さん
所在地:練馬区高松5-8 J.CITY
電話:03-5372-4411(代表)
URL:https://www.h-cadenza.jp/

開業からまもなく30年!ホテルの歩みを振り返る

−−−まずは、このホテルができた経緯を教えていただけますか。

塚原「平成6年(1994年)4月25日に、『第一ホテル光が丘』として開業しました。その後、平成16年(2004年)に第一ホテルから離れて『ホテルカデンツァ光が丘』となり、2021年に『ホテルカデンツァ東京』と名称変更。来年、開業30周年を迎えます」

総支配人の塚原和幸さん(左)と、ホテル内の案内をしてくださった広報担当の川島晶さん(右)

−−−前田建設が母体ですが、ホテル事業とはどのような関わりがあるのでしょうか。

塚原「もともと前田建設が持っていたこの土地を再開発し、地域のための複合型施設としてJ.CITYビルを建設することになったのです。当初からオフィス棟、ホテル棟、スポーツ棟の3つを中心とした計画でしたが、その中でもホテルについては、“地域のためになるように”という考えで造られました」

−−−ホテル名の「カデンツァ」の由来とは?

塚原「カデンツァ(Cadenza)は、“協奏曲で奏者が自由に即興的な演奏で盛り上げるパート”のこと。名付け親は、世界的なピアニストの故・中村紘子さんと芥川賞作家の庄司薫さんご夫妻です。独立系ホテルになるタイミングだったので、社員がお客様と自由に向き合うようにというメッセージも込められていたのではないかと思っています。音楽にちなんだホテル名ということもあり、音楽イベントやコンサートには力を入れています」

ロビーの水盤上に置かれたストリートピアノ。開業以来、30年近くコンサートや発表会などで使われ続けたピアノを修理・調律して復活させた大切な1台だそう。昨年は、男性がこのピアノを弾いてプロポーズし、めでたくゴールインした「縁結びのピアノ」でもあります♡

2020東京大会のオリンピック選手も泊まっていた!

−−−練馬区唯一のシティホテルとしての特徴はありますか。

塚原「都心のホテルのように大量のビジネスマンの出張利用はほぼありませんので、宿泊需要としては正直、かなり厳しい環境です。他方、宴会やレストランなどの利用者の大半は地域のお客様なので、信頼を得られなければこの地でホテルとして継続していくことはできません。そのためにも、どうしたら地域の役に立てるかを常に考え、地域に根差したホテルであり続けたいと思っています」

−−−宿泊利用はどのような状況ですか。

塚原「コロナ前まではインバウンド利用が増えていたのですが、コロナ禍でゼロに…。これではいけないと思い、試合に出場するために地方から上京してくる学校やスポーツ団体、芸術団体などに、宿として利用していただくよう営業を強化しました。その甲斐あって、先生方の間でクチコミでも評判が広がり、今では強豪校にもご利用いただけるようになりました。周りに何もないですから、都心のホテルよりは学校の先生方も安心するようです(笑)」

ホテルに宿泊したオリンピック選手やスポーツ団体、芸術団体などのサインや寄せ書き、ユニフォームなどの展示コーナー

−−−ロビーに、サインがたくさん飾ってありますね。

塚原「東京2020大会で宿泊いただいた海外の代表選手団をはじめ、さまざまな選手にサインをいただきました。こんなふうに飾っているのは、シティホテルでは珍しいことだと思います。私たちの自慢です」

東京2020大会では、デンマークの射撃選手団とエクアドルの陸上選手団が宿泊。スタッフ全員でおもてなしをしたそうです!

地上100mのラウンジから富士山を望む

ホテル内のレストランやショップを利用したことがある方は多いと思いますが、客室や宴会場など、普段あまり見る機会がないところも見学させていただいたので、その一部をご紹介します。なかでも感動したのは、オフィス棟の最上階にあるスカイラウンジ「J.VIGO(ジェイ・ヴィゴ)」からの景色。ぜひこの感動を味わってほしい!

取材を行った、地上100mの「J.VIGO」。富士山や夕陽を一望できる開放的で高級感あふれる空間
ホテル棟とオフィス棟をつなぐアトリウム。イベントや結婚式の会場としても使われることも。取材時は都立練馬特別支援学校アート部の生徒さんの作品が展示されていました
「ビュッフェ&ダイニング ルミエール」(写真)は、国産牛のローストビーフが大人気。日本料理「むさしの」と中国料理「白楽天」と合わせ、ホテル棟には3つの直営レストランがあります
チャペル(写真)、神前式、レストランウェディングなど、ブライダル施設も完備。親子2代にわたって、カデンツァで結婚式をした家族もいるそうです
数ある宴会場の中で最も広い「ラ・ローズ」(580㎡)。各種会合やコンサート会場、フラダンスのステージなどとしても使われています
客室は全91室。スイートルーム、ユニバーサルルーム、和室もあります。東映撮影所に通っていた大女優も宿泊したことがあるのだとか! 写真は、スタンダードツインの部屋

季節のイベントやコンサートなど楽しみ方はいろいろ

−−−ホテルでは、いろいろなイベントも行われているんですね。

塚原「地元の皆様に楽しんでいただこうと、フリマやマルシェ、縁日、フードコートなどのイベントを定期的に開催しています。その際、震災の復興支援として福島県の農産物や食品の販売会も行っています。また、練馬区にはフラダンスの団体が多く、今年で6回目となるアロハフェスティバルには、お子さんから高齢の方まで地域の皆さんが着飾ってステージに立ち、毎回大盛況なんですよ」

復興支援のためのマルシェの様子(2021年11月の秋の収穫祭にて)

−−−音楽関連ではどのようなイベントがありますか?

塚原「最近では、注目の若手ピアニストである石井琢磨さんのコンサートやディナーショー、ウクライナの歌姫ナターシャ・グジーさんのチャリティコンサートなどを開催しました。これからも音楽にかかわるイベントをどんどんやっていきたいと思っています」

宴会場がピアノのコンサート会場に早変わり!

−−−気軽にホテルで楽しめることがわかりましたが、駅から遠く、アクセスが気になります。

塚原「光が丘駅、成増駅、石神井公園駅から、それぞれホテルまでの無料送迎バスが出ています。路線バスの便もよいので、そちらもご利用ください」

光が丘駅・成増駅・石神井公園駅の3駅とホテルを結ぶ無料送迎バス
2021年7月、羽田空港とホテルを結ぶリムジンバスの新路線が開通し、練馬から空港へのアクセスが向上!

−−−練馬区が開催するイベントにもブース出店していますね。

塚原「練馬まつりや照姫まつり、練馬こぶしハーフマラソンなどのイベント会場で、練馬産キャベツを使った“カデンツァ回鍋肉まん”や、ホテルオリジナルのレトルトカレー、焼き菓子などを販売しています。こういった機会にホテルを知っていただくことも大切だと思っています」

2023年の「照姫まつり」の出店ブースの様子

地域に開かれたホテルとして、もっと身近に!

−−−イベント以外にも地域に密着した取り組みなどあれば、教えてください。

塚原「JAや農家さんと連携し、料理にもできるだけ練馬産の農産物を使って“地産地消”を意識しています。パティスリーボンパルファンでは、練馬産のブルーベリーを使ったタルトを10年以上作っています。
また、東京都の『こどもスマイルムーブメント』にも参画しており、コロナ禍をきっかけに、子どもたちの自習室としてオフィス棟の打ち合わせスペースを開放したり、練馬区の子育て支援事業『練馬こどもカフェ』の場所を提供したりと、われわれができる範囲で子育て支援も行っています」

オフィス棟2階の自習室を無料で開放。対象は、練馬区在住の小学生〜大学生(小学1〜3年生は保護者同伴で利用可能)

−−−地域の子育て支援もしているとは素晴らしいですね。

塚原「子どもとのつながりは特に意識しています。教育委員会経由で各保育園に案内し、昨年からは地元の保育園児の散歩コースとしてホテルロビーを開放しています。普通のホテルはこんなことはしないと思いますが…(笑)」

−−−SDGsの取り組みはいかがでしょうか?

塚原「いろいろな取り組みをしていますが、地域に寄り添うホテルとして、地域防災に力を入れています。災害時に帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設の協定を練馬区と結び、備蓄も整備。光が丘団地の管理組合ともつながりができているので、これからも地域との連携を大切にしていきたいと思っています」

−−−コロナ禍の苦労は大きかったと思いますが、今後の展望について教えてください。

塚原「コロナ禍でのダメージは大きく、本当に大変でしたが、その間にいろいろなことを考え、大切な気づきを得るきっかけになったので価値ある期間だったと思っています。食事や宿泊だけでなく、地域の方たちが気軽に来られる機会を増やし、接点を増やしていきたいですね」

−−−最後にメッセージをお願いします。

塚原「地元のホテルで、家族やご友人などと楽しい時間を過ごしていただけたら嬉しいです。お食い初めや誕生日会、婚礼前の顔合わせ、結婚記念日、法事など、人生の節目のお祝いにもぜひカデンツァをご利用ください。また、区民の皆様には、非日常空間でゆっくり過ごしたり、時には宿泊利用でリフレッシュしたりしていただくのもおすすめです」

今回の取材で、あらためて地域のホテル利用の幅広さを知ることができました。まだホテルカデンツァ東京に行ったことのない方は、ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか♪

サポーターの取材後記

草笛のけん

練馬の地元ホテルと言われても、私にとってはグレードの高い東京のホテルでした。富士山が見え、緑の多い練馬を眺めながら地上100mの22階で、総支配人の塚原和幸社長、企画広報部の川島晶さんに取材ができ感謝しています。塚原社長のホテル設立の背景、有名なピアニストの中村紘子さんが音楽に関係ある名称「カデンツァ」を命名されたなどのお話は印象に残りました。地域密着のイベント(コンサート、フリマ、マルシェなど)の1つに、令和5年(2023年)5月27日「ウクライナ支援を練馬から」とウクライナの歌姫、ナターシャ・グジーさんのチャリティコンサートも支援されたそうで感動しました。63本の弦があるウクライナの民族楽器バンドゥーラを弾きながら、日本の「故郷」を透き通るような美声で歌われたそうです。
コロナ禍では医療関係従事者の支援、また、災害時には帰宅困難者等の支援を積極的にされ、予想される大規模災害にも対処できるよう様々な施策を検討・準備されているそうで頭が下がりました。
和洋中3つのレストラン、チャペルや神殿の結婚式場、大小の宴会場、スイーツ販売などの施設や社会貢献やSDGsの取り組みなど全体的に説明していただきました。また、広々としたアトリウムの壁にはご近所の生徒さんの作品が展示され、七夕まつりなどのイベントでは実際に笹の葉や短冊が飾られ、お子さんが集まられたそうです。私も草笛を鳴らしてみましたが、音響効果も良く、何かのイベントに草笛でお手伝いできたらと思いました。8年前、私たち夫婦と子ども、孫10名でカデンツァのレストランで宴を催したことがあります。子どもや孫も大きくなりましたので、練馬のホテルで家族のイベントを計画したいと思いました。

splash

ホテルカデンツァ東京は、一言で申せば地域に密着したホテルと言えます。
1つには地産地消です。練馬区で採れるレストランなどで地産のブルーベリーを多く使用しており、パティスリーではブルーベリーがみっしりと詰まったケーキが用意されています。
2つには地域と連携した防災活動を行っています。災害時における民間一時滞在施設として、練馬区と協定を締結し、令和元年度「東京都一斉帰宅抑制企業」に認定されています。来たるXデーには頼りになるホテルであります。
3つには、地元のお祭り・イベントへの参加です。地元のお祭りやイベントへ積極的に参加し、地域の皆様との交流を深めています。
最後に「練馬こどもカフェ」です。在宅で子育てしている保護者を対象にお子さんと一緒にリラックスしたり遊んだりできるほか、気軽に育児相談もできる場を設営しています。このような設備は他のホテルでは見ることがないと思われます。ホテルは、練馬区のシニアの人々には3世代(本人家族→子ども→孫)が集まり、楽しく寛げる時間を作ってほしいと願っています。たまには非日常の中で、幸せの解像度を上げるひと時を作られたらいかがでしょうか。そのために、ホテルのスタッフは「ただいま」と言いたくなる、心のふるさとになるような場所を目指しています。どんな時も私たちの側にいてくれるホテル、それがカデンツァ東京です。


PDF形式のファイルを開くには、Adobe Acrobat Reader が必要です。お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。