サポーター体験記
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複数作業のエクササイズで身体と脳を刺激?!自分の体を音楽に委ねるリトミックの魅力とは?

複数作業のエクササイズで身体と脳を刺激?!自分の体を音楽に委ねるリトミックの魅力とは?
音楽を体で感じ、表現し、時に創作する
リトミック(プログラムの一例)

リトミックとは、スイスの作曲家・音楽教育家である
エミール・ジャック・ダルクローズによって考え出された音楽教育法です。
音楽を聴く、歌う、演奏する、作る、と言った音楽教育で学ぶ全てのことを、
身体を動かす経験を通じて感じ取っていきます。
複数作業(=マルチタスキング)のエクササイズも取り入れた
サークルを体験取材してきました。

シニアリトミックサークル かるがも

取材ご担当:野沢絵美さん(のざわピアノ・リトミック教室指導講師)/板本章平さん(リトミックサークルかるがも 代表)
※以下、文中敬称略。
※取材はコロナウイルス感染症の予防対策に十分配慮し、行われています。

電話
080-5074-2330(リトミックサークルかるがも 代表)

体験編:リトミックとは?リズム講座を体験してみました

リトミックと言うと、幼児向けのものと思われがちですが、近年では老年医学の分野でも注目されています。
転倒事故の防止・軽減に一定の効果があるほか、エクササイズは基本的に複数作業(マルチタスキング)
であるため、集中力や記憶力、想像力・創造力を刺激したり、バランス感覚を育んだりと、
高齢者にとっても有効な様々な利点があると言われています。
まずはシニアナビサポーターもリトミックに挑戦です。

 はじめに準備体操、
関節や筋をよく伸ばします
はじめに準備体操、
関節や筋をよく伸ばします
 音楽に合わせて楽しく歩きます
受講者からは鼻歌も聞こえます
音楽に合わせて楽しく歩きます
受講者からは鼻歌も聞こえます
 一定方向だけに進まないよう、
空いている場所に向かうよう意識します
一定方向だけに進まないよう、
空いている場所に向かうよう意識します
 カリンバ(親指ピアノ)は、
なんと皆さんの手作り!
カリンバ(親指ピアノ)は、
なんと皆さんの手作り!
 2つのリズムを同時に行うことを、
ポリリズムと言います
2つのリズムを同時に行うことを、
ポリリズムと言います
 大判のスカーフを使い、皆で息を合わせて
音楽を表現します
大判のスカーフを使い、皆で息を合わせて
音楽を表現します

音楽を様々な角度から感じ、楽しむことがリトミックの魅力!

――先ほどは体験、ありがとうございました。
本日行った体験のポイントを、順に簡単に教えてください。


野沢 「初めに定番のストレッチを行い、そのあとは歩きます。
歩くことは人間にとって一番自然にできる動作の一つです。
これを音楽に合わせてコントロールするのは簡単そうに見えて、案外難しいものです。
テンポを速くして、少し駆け足をしたり、スキップを行うなどのバリエーションもあります。

 講師の野沢さん、国立音大ご出身で
リトミックの専門知識を習得されています
講師の野沢さん、国立音大ご出身で
リトミックの専門知識を習得されています

今日は3拍子の『うみ』の曲を使いたいという目的があったので、
身体が慣れるように、最初から三拍子を意識したプログラム構成にしていました。
途中で変わる三拍子の違和感に気づくこともリトミックでは重要なことで、
参加される皆さんも「あれ?」と気づかれましたので、少し掘り下げました。
この教室では、皆さんの反応や、できる・できないを見て対応することが多いです」


――皆さんが取り出したカリンバはお手製だそうですね!


野沢 「そうなんです。この教室で作成しました。
指先が上手く動かない方もいらっしゃいますので、私がお手伝いしようと思っていましたが、
会員の皆さんがサッと手助けしてくれたり、教えあいながら進めていただいて、出る幕がなかったですね(笑)。
完成までの難易度は結構高いのですが、『ちょっと難しいこと』を目指すのがいいと思っています。
簡単すぎるのはやりがいがないですし、大人が使うものですので、
それなりに本格的な仕様にしないといけませんから」



――途中の童謡の「うみ」はどんな意図があって選ばれたのですか?


野沢 「この季節になると色々な海の歌を取り上げますが、今日の『うみ』のテーマは
音の強弱です。海の波というのは、まさしく大波小波とありますから。
あとはリズムです。これを意識して足を動かすのは、手でリズムを取るのとはまた違った難しさがあります。
もちろん個人差がありますので、ここまで頑張りましょう、出来る方は更にこれもやってみましょう、とアドバイスをしています。


最後に行ったのはスカーフを使ったプログラムです。
音楽を布を使って表現することは、動きを創る楽しさもあります。
音楽や動きを創る即興演奏もリトミックの大切な要素となっています。


グループで行う良さもあって、協調性や程よい距離・関係を保ったリーダーシップなどが必要になってきます。
大人になると皆さん、遠慮しがちですが、誰かが言い出すともっとこうした方がいい!
という意見がどんどん活発になって、より複雑な表現につなげる事も出来ると思います」

 はじめて見聞きするリトミック、
取材中も興味が尽きません
はじめて見聞きするリトミック、
取材中も興味が尽きません

――見ているととても楽しそうですが、色々考えられて流れが設計されているのですね!
プログラムを考えるときに特に大切にされていることや、対象者のことを教えてください。


野沢 「大切にしていることは、音楽の要素を取り入れて体感すること、です。
本日は強弱を意識しましたが、これが速度(テンポ)であったり、拍子に特化して、
二拍子・三拍子・四拍子を比較してみるときもあります。
二分音符・四分音符・八分音符など、音符にフォーカスすることもあります。


かるがもさんの前身はリズム講座でして、この講座の後に
『もっとやってみたい!』と思われた皆さんが立ち上げて下さいました。
もちろん、途中から参加された方もいらっしゃいますが、皆さん、一通りのことは体験していますので、
だから急にスカーフを使って『音楽を表現してみましょう!』と言ってもスッと出来ちゃいますね。


プログラムはもちろん、対象者によって変化します。
例えばここ、はつらつセンター豊玉では、いきがいデイサービスを行っている曜日もありまして、
そこに講師として呼ばれることもあります。
その際は、座ってできるプログラムを中心にするなどで、対応しています。
かるがもさんは、シニアの皆さんの中でもトップクラスに動ける元気な皆さんですね!」

失敗を恐れず、童心に帰り自由に表現することが何より楽しい

――参加者から見て、リトミックの楽しさというのはどこにあるのでしょうか?


板本 「子どもに戻った気持ちになる、という方は多いですね。
音楽やリズムに合わせて体を動かすことは本当に気持ちいいですよ。
道具を使うこともあるのですが、昔は毬つきなんかは女の子の遊びでして、私たちなんか触った事すらなかったです」


野沢 「今日のようなスカーフの他、フープやボールなどを使うプログラムもあります。
女性の方は、ボールを毬つきのように使うと昔の記憶からかテンションが上がるようで、
毬をつきながら、足で跨ぐことを始めようとするんですね。
無理をさせるといけないですから、今はやめておいてね、と言っています(笑)」

 かるがも代表の板本さんは、ご謙遜されますが、
音楽への情熱はかなりのもの!
かるがも代表の板本さんは、ご謙遜されますが、
音楽への情熱はかなりのもの!

板本 「失敗しても、間違っても、ちょっと合わなくても怒られない、という気軽さも魅力ですね。
私は戦前生まれですから、音楽の授業などで歌やテンポを間違えたら、すぐにタクトで叩かれたりしてね。。。
それだけで音楽が楽しくなくなってしまうんですよね。
で、覚えなければまた怒られるので、そう思うと覚えることもだんだんと苦痛になっていく。


昔の話ですが、音楽の知識なんか全然なくて、最初は音符もハニホヘ・・・で覚えてたのに、
疎開して東京に戻ったら急にドレミファに変わっていて。
それで分からなくなっちゃったものですから、学生時代は隣のピアノが弾ける友人に口で教えてもらって、
それを家で暗記して歌ってたものですから先生に見つかって怒られたりして(笑)。


それでもリトミックについて行けるのは、先生がとてもおおらかに指導してくれるのと、
会員の皆さんのおかげです。ついつい甘えてしまいますね」

 野沢さんと板本さんの朗らかな関係性は
教室の雰囲気そのままのようです
野沢さんと板本さんの朗らかな関係性は
教室の雰囲気そのままのようです

――シニアリトミックサークルかるがもでは、通常の教室の他、
地域の介護施設へ訪問を行ったり、敬老祭などへも積極的に参加しているそうです。
昨年末は、中野区の肢体不自由者父母の会のクリスマス会にも呼ばれ、ハンドベルを披露したとか。


音楽の楽しさを体で感じ、脳の活性化にもなり、さらにその活動が別の誰かを元気づける。
体力づくりだけでないリトミックの奥深さと魅力を感じる取材となりました。

サポーターの取材後記

Zenさん
初めは正直、リトミックとはなにか?も知らずに取材に臨んだのですが、皆さんの練習風景や懐かしい音楽を聴いて、リズムに乗って歩いたり止まったり、手近なものを使った動きを、個々人・グループで楽しく和やかにやっている事に大変感動を覚えました。
特に高齢者の方もいる中で、間違ったり・リズムに乗り損ねたりする時も野沢先生の「間違っても決して怒らない」むしろ「褒めて、やる気を高める」の御指導には感心致しました。
リトミックの考案者エミール・ジャック=ダルクローズ氏は「音楽を手段として、個々の知的能力と肉体的能力の調和を図る」と述べておられます。取材の中で高齢者12名(60歳以上から88歳まで)が実技を通して「心」・「力」・「協調性」をドンドン高め合う経過が、良く感じられました。練馬・中村地区の高齢者の方に、リトミックの楽しさや歩行強化・脳トレ・仲間づくりを、是非とも一度チャレンジしてみては、いかがでしょうか?とおすすめしたいです。
リツさん
リトミックとは、幼児向けの音楽に合わせてリズムを取りながら身体を動かす体操だと思っておりましたが、参加し、いざやってみるとリズムに合わせて歩きながら手をたたくなど頭を使う動作である事が判りました。これは、認知症予防に欠かせない要素が多分に含まれている事に気づきました。続けている会員の皆様の、若々しく、元気で軽やかに動いている姿は素晴らしいと思います。
「かるがも」さんに参加されている皆様は、身体を動かす事に慣れており、躓いて転ぶなどと言う話は、聞こえてきません、外を歩くとしてもテンポ良く足を上げ歩く事が出来ているのだろうと思います。また、野沢先生は生徒さんを大切にしており、「テンポ・リズム・音階」が少し位間違っていても「大丈夫 気にしないで」と広い心で見守って下さっていますので、安心して参加出来ているのだと思います。子供の気持ちに返って半分遊んでいる様な、楽しい時間です。加えて脳トレで認知症予防が出来、一石二鳥のサークルです。野沢先生と生徒さんの良い絆も出来ており、コミュニケーションを取れているのが分かった取材でした。

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