サポーター体験記
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健やかに、楽しく人生を謳歌する。そんな生き方のヒントを健生会で見つけた

健やかに、楽しく人生を謳歌する。そんな生き方のヒントを健生会で見つけた
現会長の保坂さん、健生会の
活動の原動力となる熱意を感じます

誰でも、少しでも健康で、出来れば楽しい人生を送りたいもの。
仕事がひと段落した方も、まだまだ現役の皆さんも、第二の人生に
仕事では得られなかった経験や人脈を期待するのは当たり前のことだと思います。
健康と生きがいの会と書いて、健生会(けんせいかい)という団体があります。
35年を超える歴史を持ち、会員の年齢幅も広いその理由の一端を聞きに行きました。

特定非営利活動法人(NPO法人) 健生会

取材ご担当:会長/保坂 武雄さん、名誉会長/青木 玲子さん、役員/竹内 善治さん
※以下、文中敬称略。

所在地
〒176-0012 練馬区豊玉北
URL
090-9833-8815
電話
http://www.npo-kenseikai.com

健生会は皆で工夫&分担!さまざまな活動を行う

――ではまず、健生会の発足時期・会員数・会員さんの平均年齢などを教えてください。


保坂 「発足は1984年になります。最近35周年記念式典を終えたところです。
今の会員数ですが、144名が前年度末の会員数です。平均年齢は75歳以上かと思います。
ちなみに、75歳以上の人数を数えると99名いますね。68%くらいがこの年齢ですね。
若い世代では、35-36歳の方もいますし、最高齢は98歳の方もいます。100歳は間もなくですね(笑)。
会員は、練馬駅周辺を中心に、練馬全域にいます。区外の方も多く、
中野・杉並・中央区や横浜から来るかたもいますよ」

 保坂さんの人脈はとても広く、
このご縁が様々な活動を可能にする
保坂さんの人脈はとても広く、
このご縁が様々な活動を可能にする

――会員の年齢の幅やお住まいも結構バラバラなんですね。遠くからも来られています。


保坂 「私はこの健生会は“おおむね60歳以上の高齢者で構成されているが、
老人クラブとは違う”と思っています。
みなさん、非常にアクティブな方ばかりですよ。
たまに間違えて“老人の会”なんて言う方が居ると、私は怒るんですよ(笑)。
NPO法人健生会の様々な活動は、サイトにも掲出されています。
参考:http://www.npo-kenseikai.com
ここに、この6ヵ月の会報があります。
色々と書いてありますのでぜひ読んでみてください」



――この会報はいただいた事があります。
いつもすごい情報量で、しかも毎月発行されているので驚いています。
発行まではどのような流れで動いているのでしょうか。


青木 「全員で今、3月号を書いています。ちょうど2/12(水)が締め切りですね。
※取材は2/5(水)内田稚代さんという副会長がいるのですが、
出来上がった原稿は、彼女のもとに送ります。そうすると、レイアウトを組んでくれるんですよ。
こういうフォーマット(入力のためのルールや枠組み)がありまして、そこに原稿を打ち込んで仕上げます。
大体レイアウトに1週間くらいでしょうか。まとまると全役員のもとに原稿が返送されます。
校正の日に全員で、数時間かけてチェックを行います」


保坂 「月末になると印刷・発送の作業を行います。
僕は最初来た時、びっくりしました。
10人程、会員の中で発送委員がいるのですが、皆さん手際がすごくいいんですよ。
生涯学習センターのプリンターを使わせてもらって印刷します。
このように、我々は全部、ボランティアで原稿を書き、
レイアウトを組み、校正・印刷も行っています。
健生会で発生する経費は紙代と発送の切手代だけです。
会員は一人、年間¥3000払うと、この会報が12回送られてくるというわけです。
5年に一度、記念誌も作っていまして、
これなんかは分厚い束見本をメンバーが持ち寄って校正するので大変ですよ」

 記念誌はこの頁数!編集は会員
有志の手作業というから驚き
記念誌はこの頁数!編集は会員
有志の手作業というから驚き

――すごく立派な内容ですよね。
学校組織なんかでもなかなかここまでは出来ないと思いますよ。
健生会は事務室とか無いですよね?これらの会報や、記念誌などはどちらで保存しているのですか?


保坂 「大体、私か青木さんの自宅にあります。
合わせれば全巻揃います。どこかに事務機能が無いものですから。
電話番号も私の自宅となっています。
事務所が持てれば一番いいのですが、今の会費だと難しいです。」


***


見れば見るほど立派な内容です。
これほどの情報量を意思を持って定期的に作れる時点で、熱量が半端ではない!と感じます。

会員集めは常に意識しています、皆さんもぜひ、会報をご覧ください!

――健生会の会員を募集したりPR活動は、どのように行っているのでしょうか?


青木 「(募集のための)印刷物は1枚あるのですが、PRはあまり積極的に行っていないので、
皆、もう少し力を入れないといけないな・・・とは思っているんですが、なかなか手が回らない、といった状況です。
この間も区の“つながるフェスタ”に出展したんですけど、
そこで『健生会に入りたい!』という方がいらしたんですが、
うっかり入会用紙を持参せず、お渡しできませんでした。残念です」

 前会長の青木さんの人脈も素晴らしく、
健生会の20年目から文字通り会を支えてきた存在
前会長の青木さんの人脈も素晴らしく、
健生会の20年目から文字通り会を支えてきた存在

――我々は健生会の存在自体を知らなかったので、まだまだ知らない区民の方も多いのではないかと思います。


青木 「パワカレ※から参加の方は多いですよ。私は2期生なんですけど、
その時既に健生会はありましたので、パワカレメンバーには話しています。
その時の健生会の、創業初代会長:上西正夫さんと私が、パワカレの生徒でした。
その後は、2期・6期・8期・10期・12期と沢山入ってきていただいて、役員の半分以上となっています。
8期の卒業式に参加させていただいて、先生に『男性の役員が欲しいんですけど、
どなたか紹介してください』とお願いし、ご紹介いただいた方が、今役員をやってくださっています。
もっと積極的に動かないと、継続的に会員は集まりませんね」


※パワカレ・・・正式名称は地域福祉パワーアップカレッジねりま区の
福祉部管理課、ひと・まちづくり推進係が運営する、
「人材の育成」と「育成した人材を活かす仕組みづくり」を目標とした取組み。
「区民が協働で築く“ねりま”の地域福祉」を基本理念に掲げ、設置されている。
令和2年に「つながるカレッジねりま」にリニューアルし、
「福祉」「防災」「農」「みどり」「環境」の5分野に学びの場を拡大。
参照:https://www.city.nerima.tokyo.jp/hokenfukushi/chiikifukushi/tsunagarufukushi/index.html


 


――先日、所要で石神井庁舎に出向きました。そこで会報を見かけましたが、
区内ではどこにどのように配布しているのですか?


竹内 「区内の様々な施設にお声がけして、置いて頂いていますが、
おおよそ6ヵ所でしょうか。ひと・まちづくり推進係さんにお願いして、
区の配送網を利用させていただき、効率的に区の施設に配っていただいています。
毎月300枚弱、印刷しています」

 役員の竹内さん、期待の新人?!
穏やかな物腰に取材の場も和みます
役員の竹内さん、期待の新人?!
穏やかな物腰に取材の場も和みます

保坂 「会員が150名弱ですから、約半分が純粋な広報ということですね」

サークルやボランティアに催しまで、人が人を呼び活動が広がっていく

――健生会の中にも様々なサークルがあると思うのですが、これらのサークルについて教えてください。


保坂 「サークルでは、得意な会員さんにお願いして主催してもらうケースが多いと思います。
一番大きなサークルはシルバーコーラスです。ほか、例えば手芸の会なんかは、
長く主催されてた方が年齢を理由に辞され、新しい役員が引き継いで活動しています。
歩く会が2つあって、1つは私の友人市川光男さんにお願いしていて青木さんに担当してもらっています。
もう1つは、あまり歩かない会なのですが美術館に行ったり、
巣鴨地蔵だけを回ったり、この会は私が企画して運営しています。
シルバーパスを駆使して、出来る限り電車賃がかからない、もっともお得なルートで移動します。
巣鴨に行くのも西武線~JRではなく、大江戸線の練馬~都庁前~春日~巣鴨です。
若干、時間はかかりますが、帰りに都電にも乗れますし、これはこれで楽しいですよ」

 会報より旅行の様子:昔も今も、親密な
関係性を作るには欠かせないレジャー
会報より旅行の様子:昔も今も、親密な
関係性を作るには欠かせないレジャー

青木 「皆で旅行に行くこともあるんですよ。12~3年前は2泊などしていました。最近では日帰りがメインですけど」


保坂 「ほかにはボランティアの会もあります。
すぐそこにある“きらら”(豊玉障害者地域生活支援センターきらら)では、
月に1度カレーライスを作っています。障害をお持ちの方が食べに来てくれます。
きららでは、顧問の渡邊さんという方が、囲碁の会も主催しています。
(写真を見ながら)これなんかはコシノジュンコさんをお呼びした時ですね。
それからこれは、先ほどの渡邊さん。彼は落語もやっていまして、その師匠が真打の三遊亭園王さん。
一門の方たちをお呼びして催しを開催したこともあります」


 


――そうそうたる顔ぶれですね!どんな繋がりがあるのでしょうか?


保坂 「コシノさんは私の昔の知り合いでして、殆どボランティアみたいな謝礼で来てくださいました。
その他の方も知り合いを通じてというケースが多いと思います。


青木 「そうそう、こっちはシルバーコーラスです。
一番大きな催しで“みんなのおんがくかい”というのが6月30日に開催予定です。
これにはぜひ、シニアナビの皆さんも取材に来ていただければと思います(笑)。
初の試みとして、日本の古い音楽と中国の古い音楽がコラボします。
生涯学習センターホールで開催する予定です。
イベントがちょうど10回目の記念ですから、会場を一杯にしたいと思います」
※6月30日(火)の第10回「みんなのおんがくかい」は、 新型コロナ影響の為、残念ながら中止となります。
秋の開催を予定しています。(詳細はHPをご確認ください)

 こちらは過去のイベントの様子
こちらは過去のイベントの様子


実に様々な活動をされているんですね!お忙しそうです。
インタビューするたびにどんどん情報が出てきて、正直驚きました。

会員になるきっかけや出会いも、すべて運や縁

保坂 「健生会の役員会は、約10名で運営しているのですが、皆さん大変すばらしい方です。
例えば仮に、この皆さんが会社員だとしたら、報酬だけでとんでもない金額になります(笑)。
それくらい、すごいメンバーなんです。
もしかしたらどんな団体でも似たような所はあるかもしれませんが、
やはりこういうメンバーが集まっていますから、黙っていてもどんどん仕事が進んでいくんですね。
で、終わるとパッパと片付けて『お先にー!』なんていって帰っていくんです。
スピーディーというか効率的というか、私も最初は驚きましたよ」


 


――保坂さんはいつから健生会に入られたのですか?


保坂 「私は10年前です。2011年3月、東日本大震災の直前でした。
きっかけは先ほどから出ている渡邊さんに誘われたことです。
彼は年に50-60回講演をしているんですが、全国の大学や行政、色々なところから声がかかっています。
東大病院のボランティア組織を作った体験を書いた
『病院が変わる、ボランティアが変える』と言う本を読んで感動してしまいました。
この本の最初のページで日野原重明先生、次のページで京極高宣先生が推薦しています。
これを見て、町田英一先生経由で京極先生が渡邊さんに繋いでくださいました。
手紙でお目にかかりたいと書き、丁度練馬区で講演するタイミングでお会いできることになり、
1年余り後に健生会に誘われたんです」


青木 「当時保坂さんは別のボランティアもされてましたので、難しいかな?と諦めていたのですが、
1年余り後に明らかに時間を持て余しているようで(笑)。
引き受けていただけそうな雰囲気もありましたので、
役員をお願いしたら、『いいですよ』って即答してくれたんです。
色々な想いもあったのでしょうが、これもご縁なんでしょうね」


保坂 「様々な出会いやきっかけで、自分の残りの人生が、ガラリと変わります。
いいチャンスに巡り合えるっていうことは、人生の儲けもので有難いことだと思いますね。
パワカレにも興味がありましたが、どうしても毎週木曜日というのが都合悪く4~5年踏み切れずにいました。
昨年ついに他のこと全てを諦めて、締め切り最終日に申込みました、
素晴らしいクラスメートや先輩(でも全員年下)に巡り合いました」


 


――パワカレの卒業生も最近では様々な分野で活躍されていて、繋がりが増えているような印象です。


保坂 「サークルでシネマの会というのがあります。
ふた月に一度、豊島園シネマの封切りに出向きます。試写会にも行っています。
私が会社員時代、かれこれ60年も前に会っている高田健治さんと言う方が居るのですが、
彼が所属しているファッション協会の「シネマ夢倶楽部」に書いている文章が素晴らしいので、
『健生会(の会報)にも載せてよ』とお願いすると、快く引き受けてくれました。
これが“試写会だより”となって、毎月3本の映画評を掲載させて頂いています。
かれこれ3年続いていまして、年内には100本を超えます。
この縁をシネマ夢倶楽部も喜んでくださり、毎月2回健生会メンバーを試写会に招待してくれる関係にもなりました。
このような試写会の活動を通して、会員が増えたりもします」

 友人やツテをたどり、最も効果的に
会報を充実させるのも運営の腕前!
友人やツテをたどり、最も効果的に
会報を充実させるのも運営の腕前!

――本当に様々な繋がりや縁を大事にして、どんどん活動を広げられているんですね。

様々な活動を支える源は「健康」!

保坂 「健生会で一番重要なことが健康です。ですので、健生会の活動はもちろん、
健生会ニュースの発行に加えて、健康に関する講演会=例会も行っています。
これは設立以来継続している講演会で、年間5~8回開催します。
毎回、医師や保健師などの専門家に、分かり易く講演してもらっているんですよ」
なんと!シニアナビねりまのサポーターも、プライベートで講師
(パワカレのクラスメートでもある方)としてこの講演にお呼ばれされているそうです。
これもまた、不思議なご縁ですね。


***


冒頭、保坂会長が話していた『老人クラブとは違う』というのは、
決して強がりや理屈などではなく、物事の捉え方や考えかたなのだと思いました。
見回せばすぐ近くに、“元気な大人”がたくさんいます。
増やそうと思えばいくらでも仲間は増やせるのです。
『自分の健康は自分で守り、皆の健康は皆で守ろう。
そして健康が与えられたなら、ボランティアをしよう』
健生会が大切にする設立来のモットーを実践することで、
縁が生まれ人や機会と繋がっていく。
それが人生の彩りになる、と感じた取材でした。

サポーターの取材後記

ynishi
健生会においては、練馬区はシニア世代がパワーを持っている街を象徴するかの団体である事を改めて実感した取材でした。
パワカレ(地域福祉パワーアップカレッジねりま、※2020年4月から「つながるカレッジねりま」に変更)の私の同期である、会長の保坂さん他、健生会には同期の方々何名かが所属していますが、その繋がりからさらにからパワカレの先輩方にたどり着くなど、練馬区内の横の繋がりが充実している団体である事がわかりました。また、役員皆さんのこれまで実績が凄く、そこを通じて著名人によるイベントや、各サークル活動も多く実施されているなど、人との繋がりからのコミュニケーションを大事にする、「練馬健康と生きがいを語る会」(=健生会発足時の名称)というイメージです。
正に、「シニア世代のパワーの勢いがある街、練馬...」と言えるのではないでしょうか。
らいな
インタビューを終えて、健生会のみなさまのご活躍の多様さに息を飲みました。ただ、ここには前提条件があります。それは、健康な生活を送っていらっしゃる、ということです。健生会の1文字目が、やっぱり大事なんです。まず、健やかであってこそ。
わたしは病気の関係で定年まで仕事を勤め上げることができず、地域の活動に関心はあるものの、毎週集まっての運営や作業に体力がついていくか心配があります。体力不足を克服するために、若いころやっていた卓球を習いに行き、運動療法として主治医の先生から勧められたスポーツジムにも出来る限り顔を出していて、人や社会とのゆるいつながりはなんとか持てています。
もしも自分が健生会にお世話になるとしたら、シルバーコーラスなんだろうな、と思うものの、高校生時代の合唱の貯金がどこまでもつか。取材前に「もしかしたら入会するかも」と感じていた思いは、取材を終え「ここまでがんばれるか」と少し考え込んでしまいました。
ただ、シニアになってから、出身校でも職場でもない、純粋なつながりを外に作っていくことはとても重要です。家族以外の人との会話で一気に世界が開けていくことを、在宅ワークをしているわたしは、ここのところほんとうに実感しています。みなさんもぜひ、健生会のホームページをごらんになって、ご自身の世界が広がるような活動に飛び込んでいってはいかがでしょうか。年をとればとるほど、「つながり」は必要になってくると思います。

サポーター紹介

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