サポーター体験記
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近所の都会の大自然!?豊かな石神井の自然と野鳥を見に行こう

近所の都会の大自然!?豊かな石神井の自然と野鳥を見に行こう
三宝寺池でよく見つかる野鳥の看板、
今日はどんな鳥に出会えるでしょうか

練馬区は広くて、緑がたくさんある。
・・・というイメージを持たれている方、多いと思います。
光が丘公園や石神井公園は、区民の憩いの場の一つです。
今回は、その石神井公園で開催されている
「野鳥と自然の観察会」にシニアナビサポーターがお邪魔します。
普段気に留めることのない草木や野鳥に目を向け、
練馬区の豊かな自然と植生に触れてみましょう。

石神井公園野鳥と自然の会 

取材ご担当:会長:土田稔さん / 茂木勲さん / 進行:今井隆志さん / 植物担当:青木佐保さん
※以下、文中敬称略。

所在地
〒177ー0045 東京都練馬区下石神井4-24-7
電話
080-5021-3866

石神井公園の野鳥や植生に触れる体験、スタート!

若干の雨模様の中、観察会はスタートします。
まず集合ですが「三宝寺池入口広場」掲示板前、となります。
石神井公園全体をちょうど東西に隔てる、アスレチック広場と売店の先にある三宝寺池側の広場が集合場所です。

 目印の立て看板です
いつもここが集合場所です
目印の立て看板です
いつもここが集合場所です
 最初にこの「観察記録用紙」をもらいます
こんなに見られるんですね!
最初にこの「観察記録用紙」をもらいます
こんなに見られるんですね!

――歩きながら、会の設立経緯を、茂木さんにお話しいただきました。


茂木 「『石神井公園野鳥と自然の会』は、都立石神井公園でボランティア活動や観察会などの活動を行う団体です。
この会は、1987年(昭和62年)に、当時石神井周辺に住んでいた
日本野鳥の会の会員8人が、観察会を始めたことがきっかけで設立しました。
都立石神井公園は、1935年(昭和10年)に三宝寺池の中之島の沼沢植物群落が
天然記念物に指定されて、貴重な自然の姿を今なお保存しています。
植生という観点では、氷河期から生き残っているとも言われるミツガシワをはじめ、
今日では、都内はもとより、全国に自生しているものとしても大変貴重になっている
カキツバタ、コウホネなども確認できます。どなたでも気軽にご参加ください」

 野鳥と自然の会の茂木さん、
傍らの望遠鏡は観察の必須アイテム!
野鳥と自然の会の茂木さん、
傍らの望遠鏡は観察の必須アイテム!

はじめに“草木編”のスタートです!

――この会の特徴は、かっちりとした説明やガイドによる案内を行うのではなく、
各自が思い思いに歩きながら、その場その場で詳しいボランティアの方が説明するスタイル。
植物に興味があれば、そちらを聞けばよいし、今日は鳥を楽しむぞ!となれば、
鳥の説明についていってもOK!自由なスタイルです。
ただ、司会進行だけは、ボランテイアガイドさんの中で持ち回り。
ちゃんと下見をして、冒頭にもらった「自然観察会記録用紙」を準備するためです。

 今回の進行役、今井さん
今回の進行役、今井さん
 ハンノキ、実は今が花盛り!
垂れているのは実ではなく雄花
ハンノキ、実は今が花盛り!
垂れているのは実ではなく雄花
 ネコヤナギはふわふわした愛らしい花穂が
特徴ですが、この時期もかわいいですね
ネコヤナギはふわふわした愛らしい花穂が
特徴ですが、この時期もかわいいですね

今井 「ネコヤナギはオスの木とメスの木があります。
こっちはオスの木ですね。今後、帽子のような鱗片が取れて白い綿状の花芽、
次に花穂の赤い葯(やく)と黄色い花粉が出てきます。あとひと月くらいですかね。楽しみですね」


――足元にも可憐な草花が点在します。

 中央に見えるのがヒメオドリコソウ、
シソ科の植物で開花は3〜5月!
中央に見えるのがヒメオドリコソウ、
シソ科の植物で開花は3〜5月!
 こちらはサンゴジュ、たくさんの
赤い実をつけるためこの名が
こちらはサンゴジュ、たくさんの
赤い実をつけるためこの名が
 アジサイの冬芽、裸芽(らが)と言います、
この季節にちゃんと見たのは初めてかも
アジサイの冬芽、裸芽(らが)と言います、
この季節にちゃんと見たのは初めてかも

ボランティアガイド 「ヤツデは時期により性別が変わります。
よーく見てください。ほらいまここ、雌蕊(めしべ)がピンと出ていますでしょう?
雄花がパラパラと落ちた後に出来るんです。これは今、雌の時期なんです」
※雌蕊(めしべ)は、花の中央に突き出ています。


――ん?でも雄花が無いのに、どうやって受粉できるんですか?


ボランティアガイド 「いい質問!!雄花は出た時期に別の木の雌花と受粉するんです。
同じ花で自家受粉しないように、わざわざ時期をずらすんですよ。
うまく受粉できる確率が悪くなりそうですし、性別が入れ替わるなら、
自家受粉したほうが効率的な気がしますよね?・・・なぜそうすると思いますか?

 あらゆる危機を乗り越え、何万年もわたり
種を残してきたメカニズムを知る
あらゆる危機を乗り越え、何万年もわたり
種を残してきたメカニズムを知る

それは、同じ種の中で繰り返し受粉をすると、環境の変化に対して種が弱くなるからです。
色々な組み合わせで交配を重ねることで、結果的により強い遺伝子(種)が残る、こういう仕掛けなんです。
ハンノキも時期をずらしています。植物の世界では、こういうことは多々、あるのです」


――何万年も生きてきた植物ならではの進化ですね!すごい。
そんなこと、全く知りませんでした!頭が下がる思いです。

続いては“野鳥編”!どんな鳥たちに出会えるでしょう・・・!

今井 「ここでは、比較的珍しいオカヨシガモなど見ることができます。
野鳥の観察は運とタイミングです。居るときにパッと見れるかどうか。それも楽しんで欲しいですね」


――シジュウカラ、ムクドリなどは、決して珍しい鳥ではないですが、
「見ようと思わないと見つからない鳥」でもあります。
取材当日は、若干の雨模様でしたが、この天気だからこそ、餌を探しに地面に降りてきたりもし、
かえって身近に見れるそう。雨には雨の、鑑賞の楽しみがあるんですね。

 カワラヒワ、あそこに3羽います!
え・・・?どこですか?
カワラヒワ、あそこに3羽います!
え・・・?どこですか?
 ムクドリが頭を出してます!
黄色のくちばしがかわいらしいですね
ムクドリが頭を出してます!
黄色のくちばしがかわいらしいですね

――自然の多様性を保護するために、都が都立公園の多様性化計画をつくり事業化しています。


「野鳥と自然の会」の意見も存分に聞きながら、例えば植樹などを行うこともあるそうです。
茂木 「ここは虫のレストランと名付けて私達の会が管理しています。
虫を増やすために、蝶ならば蜜が多いキク科の植物、例えばタンポポ、秋ならばアザミなどを植えたりします。
虫たちは受粉を手伝ったり、野鳥たちの餌にもなります。
バッタならイネ科の植物を好みますので、それを植えたり。
多様性の保護のため、そのようなこともアドバイスします」

 いました!カワセミです
きれいな色ですね!
いました!カワセミです
きれいな色ですね!
 オオバンが泳いでいます
額が白いのが特徴
オオバンが泳いでいます
額が白いのが特徴

――おお。後ろにいる白い大型の鳥はアオサギですね。種類が分かってくると、面白いですね!
ちなみに、オオバンとそっくりだけど、似た鳥で額が赤いのは、バンです。今日は発見できず。

 あの声はエナガだな、ガイドさんの
言われるたび探します、どこだ?!
あの声はエナガだな、ガイドさんの
言われるたび探します、どこだ?!
 最後は参加者全員で観察できた
野鳥や植物のチェックをします!
最後は参加者全員で観察できた
野鳥や植物のチェックをします!

――毎日観察を続けていると、鳥のことも植物のことも段々と季節ごとの特徴が分かって来るようで、
その点にやりがいを感じる、とボランティアガイドさんの言葉。何事も継続は力なり、なのですね。
それにしても、身近な石神井公園の中にこれほど多用な草木が茂り、野鳥がいるとは、
ちょっと驚きです。私たちも自然の一部。
その多様性と魅力を享受しながら、恵まれた環境を大事にしていきたいと思います。
今度は暖かい時期に来てみたいなぁ!

【 観察会の情報 】

観察会の日時:毎月第4日曜日 9時~(およそ2時間程度)
集合場所:三宝寺池入り口、掲示板前
※参加は無料、事前問合せ等も不要です。新型コロナウイルスの感染防止のため、中止となる場合があります。


 

サポーターの取材後記

シルク
前日から開催が危ぶまれる程の雨。。。参加者は三々五々集まって来、スタートする頃には雨も上がる・・・。が、さ、寒いっ!
途中参加の方も含め総勢22名の観察会は、自然に導かれながら、ゆる~く進行しました。
「サネカヅラ」を見つけた時は、数名で“名にし負はば 逢坂山のさねかづら 人に知られでくるよしもがな(百人一首)”などと口ずさみながら歩きました。途中大量のモグラの穴を発見!「地下15㎝で穴はつながり、モグラの家族が住んでいるのです」とのこと。童心に返り、寒さも忘れ、ホッコリした取材でした!
パイレーツ
命の活動に触れた一日。「ちっちゃ!」ヒメウズの花を教えてもらった時に発した言葉。ヌルデの冬芽を教えてもらった時も「ちっちゃ!」。でも、まだ、冬と思っていたのに、花も咲き、芽も出ているんだと分かった時の嬉しさはとても大きく不思議でした。「へえ、頑張ってるんだなあ」なんて思ったり。
前の晩からの雨が、やっと上がり、靴のつま先から冷え込んでくるような寒い1月下旬の朝の石神井公園で「野鳥と自然の会」の定期観察会は開かれました。公園は、まだ冬の装いのままのように見え、全てが眠っているように思えたのですが、「野鳥と自然の会」の人たちに、観察会で、指をさして教えてもらい、拡大鏡や望遠鏡をセットして覗かしてもらうと、花や芽や野鳥が見えてくるのです。そして、だんだん目が慣れてきて、自分でも公園の草木や鳥などの命の営みが目に飛び込んでくるようになってきたのです。
このところ、特に変わってきたことがありますか?の問いに「南の蝶で、昔はあまり見かけなかった、ツマグロヒョウモンが異常に増えている」と何人もの会の人たちが答えてくれました。石神井公園の微細な命の活動が見える人には、地球の大きな変化も見えてくるんだなあと感心しました。

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