サポーター体験記
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「俳句に興味がある・気になる」人、「なにか始めたい」人へ。『練馬区俳句連盟』の活動に注目!~「月例会」や「俳句大会」に参加してみませんか~

「俳句に興味がある・気になる」人、「なにか始めたい」人へ。『練馬区俳句連盟』の活動に注目!~「月例会」や「俳句大会」に参加してみませんか~
練馬区俳句連盟・会長
今村たかしさん
「練馬区で俳句をする人のよりどころでありたい、区の俳句の柱になれたら」。
今回は、そんな練馬区俳句連盟の活発な活動ぶりを取材しました。
「俳句の楽しさは主に3つ」「俳句づくりの基本は3つ」というわかりやすいお話、
そして、なぜ俳句がよいのか?のメッセージまで、たっぷりとご紹介します。

練馬区俳句連盟

取材ご担当:会長/今村たかしさん、副会長/安藤よしたかさん
※以下、文中敬称略。

メールアドレス
imataka@dream.com
主な活動場所
区民・産業プラザホール(練馬駅隣接、通称ココネリ)
URL
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kankomoyoshi/shogaigakushu/kyogikai/kamei/haiku.html

設立は昭和29年(1954年) 今年、練馬区俳句連盟は65年目に突入!

練馬俳句連盟は、結社に所属の人、地元俳句会の人、
独学の人、初心者、新聞などへの投稿に熱心な俳人…、などなど、
俳句を作っている人なら誰でも参加できるゆるやかな組織です。

今村 「練馬区俳句連盟の主な活動は二つ。毎月の例会と、春と秋に実施する俳句大会です。
春の大会の参加者は97名でしたが、今回の秋の大会では100人を超える参加者を想定しています。
練馬区の生涯学習センターの下に練馬区文化団体協議会という組織があり、ここに18の団体が所属しています。
練馬区俳句連盟はその中でも古い方で、老舗と言えます」

――と、今村会長は一冊の本を出し、俳句の本質について、
ぽつりと語ってくださいました。

 俳句は人生だと思っています、
と今村会長
俳句は人生だと思っています、
と今村会長
 この8月に、今村会長の第二句集『遊神』
(ゆうじん)がふらんす堂から出版されました
この8月に、今村会長の第二句集『遊神』
(ゆうじん)がふらんす堂から出版されました

今村 「『遊神』とは、自分の心を遊ばせる、という意味です。
私は、俳句は人生だと思っています」

――この本は、
『平成二十年から三十年までの十一年間を三百八十句に纏めた。』句集で、
あとがきには
『日々の出来事を日記代わりに詠み、わずか五・七・五で表現する。
 積もり積もった句の集まりが、詠み人の人生も表す。』とあります。
これは、俳句へのお誘いの言葉でもあるでしょう。


――続いて安藤さん、俳句を始めるきっかけを教えてください。

安藤 「練馬区俳句連盟の句会の表示を見かけて飛び込んだのが
俳句を始めるきっかけでした。

 練馬区俳句連盟・副会長
安藤よしたかさん
練馬区俳句連盟・副会長
安藤よしたかさん

最初は俳句の基本も知らず句会に参加したのですが、
参加するうちに『これは、ちゃんと勉強しなければいけない』と考え、
『NHK俳句』を購読・投句しながら学びました」

――安藤さんは、全国からの1万句に近い投句の中から
『放送される9句』に選ばれ、さらに『第一席』つまり特選に選ばれた
実績の持ち主です。

連盟・会長の補佐役、また俳句大会の運営・設営の責任者の一人でもある 安藤さんに、二つの活動について詳しくお尋ねします

安藤 「毎月の例会(句会)と、春と秋の俳句大会の活動ですが、
まず月例会のことからご紹介します。(※俳句大会のある月には例会はありません)

月例会の参加者は、最近は40数名です。
例会は、毎月、第二または第三日曜日に、練馬駅前のココネリのホールで開催しています。
たまに会場の都合で平日になることもあります」

【月例会の概要】
受付:11時より
投句締切:12時半
句会開始:13時(終了は16時頃)
会場:「Coconeri(ココネリ)ホール」区民・産業プラザ3階(練馬駅北口より徒歩1分)
当季雑詠:3句(未発表のもの)
参加費:1,000円(会報も配布される)

 練馬句俳句連盟の旗
月例会の会場の目印
練馬句俳句連盟の旗
月例会の会場の目印
 例会の様子がよくわかる「会報」
毎号100部印刷されて、各所に配布される
例会の様子がよくわかる「会報」
毎号100部印刷されて、各所に配布される

【月例会の進行について】
○受付で「参加票」をもらい記入。
○記入済参加票と参加費¥1,000を受付に提出。
○「投句用紙」3枚と「選句紙」1枚を受領。
○設営された会場の好きなところに着席。
○作ってきた句を投句用紙に書いて(投句箱へ)投句。
 ・昼食は自由に摂ります。お昼を食べながら、情報交換、歓談、雑談の時間です。
○13時、選句が開始されます。その日に集まった全句が書かれた「清記」紙が配布される。
 ・40名の参加者なら、計120句
 ・清記紙は手書き、読みやすく綺麗です。
○13時~14時、選句時間
 自分が良いと考えた7句を選び、選句用紙に書いて提出。
○14時~、披講。全員の選句が読み上げられる。
○高得点句の紹介、講評。
○「最も良いと思った句について」参加者全員のひとこと発言。
 最後に会長の講評があり、散会します。

――『練馬区俳句連盟方式』と自慢してもよいような
工夫がなされた会の進め方で、月例会はとてもスムーズに運営されます。
なお、会長によれば、参加者は少しずつ増えており、比較的若い人の参加も多いとのこと。
「俳句が好きで、みなさん例会をとても楽しみにしてくれているのです」
との会長の言葉通り、定員100名の大規模な俳句大会も整然と運営されています。

練馬区民文化祭の催しの一つ、 令和元年・秋の『俳句大会』は11月3日(日)に開催!

――区民文化祭の一環として春と秋に開催されている俳句大会ですが、
今年の秋の大会は11月3日。この秋の特別選者は「有馬朗人」先生だそうですね。

今村 「今回、有馬先生においでいただけるのは本当に嬉しいです。
有馬先生は、元東大総長で、文部大臣もされた方。
文化勲章を受章されていて本業は物理学者なのですが、俳句の世界でも大きな柱の方です。
俳句界の長老のおひとりで、直接お話が聞けるので、大会を楽しみにしている人がたくさんいます。
私もたいへん楽しみです」

――大会には毎回、活躍中の俳人を招聘している練馬区俳句連盟ですが、
今回の特別選者は格別のようです。

今村 「特別選者に加えて、ゲスト選者として、練馬区で活動する俳句グル―プの代表者など
6~7名の方に参加をお願いしています。
俳句を楽しむ人のために、また大会に参加する人にとって良い勉強になるように
選句と講評をお願いしています。何よりも人と人の交流の輪が広がるようにと、考えております」

 2019春の俳句大会の様子
2019春の俳句大会の様子
 2019秋の俳句大会チラシ
図書館や区の主な施設に置かれる
2019秋の俳句大会チラシ
図書館や区の主な施設に置かれる

【第64回 秋の文化祭・俳句大会の概要】
日程:2019年11月3日(日)
主催:練馬区・練馬区文化団体協議会
主管:練馬区俳句連盟
場所:「Coconeri(ココネリ)ホール」区民・産業プラザ3階(練馬駅北口より徒歩1分)
特別選者:有馬朗人先生
受付:11時より(当日受付)
定員:100名
出句締切:12時(当日会場で出句)、当季雑詠2句(未発表のもの)
参加資格:特に無し。
選句開始:12時30分、会の終了は17時(予定)
参加費 :1,000円
大会賞:特別選者天賞、練馬区長賞など、計6賞。賞状と盾が贈られる。 
大会事務局・欠席投句送り先:
練馬区俳句連盟理事 足立和信
〒178-0064 練馬区南大泉2-5-14
電話:03-3922-0917
※欠席投句も受け付けていますが、対象となる賞は異なります。
※欠席投句をご希望の方は、大会事務局へ、郵便小為替1,000円を同封の上、封書で10月10日(必着)までに。
※詳細など、お問い合わせは、大会事務局まで。

俳句大会の内容は?参加する皆さんの楽しみ、そして最大の目標とは

安藤 「大会の進行は基本的に月例会と同じです。
ただし、100名参加の大きな会ですから、投句は2句です。
出句締切、会の開始時間なども少し違います。
その代わりに封筒入りで資料を配布するなど、工夫をしています。

そして参加者の最大の目標はなんといっても『特別選者天賞』ですね。
有馬朗人先生から「天」(という賞)に選ばれることは、
俳句をする人にとって、最高の喜びになります」

人と交流するから面白い、座の文学である俳句を通し、周りに興味が湧き、自身の記録が積み上がっていく

――今村会長は、俳句の良さ、楽しさについて、大きく3つ、こんなふうに解説してくれました。

1.俳句は一人でやっていてもつまらない。
何人かがいるから俳句は楽しいのです。
自分が書いた俳句を一度出句したら、その俳句は選句する『詠み手のもの』になります。
本人はコントロールできないのです。そして、詠み手の判断で選句されます。
そこが、とても面白い。

2.身の回りのことに興味が湧く。
いろいろなことに関心を持つようになります。
例えば、『たんぽぽが時期外れに咲いている』『桜の蕾を見て、来週には咲き始めるかな…』
など、小さな変化が目に入り、いつも考えるようになります。
こうして発見・感動・共有へと繋がります。
何かを見つけて、感動を俳句にして提出する、そして他の人と共有する、それが俳句です。

3.俳句は自分の記録。俳句は人生。
私は俳句を楽しんでいる皆さんに、
「日々の出来事を記録しなさい、メモしなさいと、アドバイスしています」
自分の日々の言葉を少しづつ蓄えていく。
そうしてそれが1年、2年、3年と積もったらこれは立派なその人の記録になります。
そういう意味で、俳句は人生なのです」

 俳句の魅力や俳句作りのコツを
優しく教えてくださいました
俳句の魅力や俳句作りのコツを
優しく教えてくださいました

――でも素人考えですと、俳句を作るのはとても難しいと思うのですが・・・ 

今村 「たくさんの人に読んでもらうのは、最初は気恥ずかしいかも知れませんが、
感動が共有できたらきっと嬉しいでしょう。
そしてメモが記録になり、俳句が上手くなって、最後に本が作れるまでになったら、
それは素晴らしいことだと思いませんか?

俳句づくりには3つの決まりがあります。
1.定型です。これは五七五の17文字で句を作るということ
2.季語です。俳句の場合には基本的に季語がないといけません(現代俳句で無季というのはありますが)
3.最後は切れ、です。
例えば『古池や 蛙飛こむ 水のおと』の句でいうところの“や”の部分が切れです。
切れを入れることによって、世界の拡がりが出てきます」

――ちなみに、この切れには
“や”の他に、かな・けり・あり・をり・ぞ、などもあります。
しっくりくる言葉をあれこれ考えて組み合わせ選ぶことも、俳句の醍醐味の一つでは
ないでしょうか。

いつでも参加できる練馬区の俳句のよりどころでありたい、連盟の将来の展望とは?

今村 「私は、俳句連盟を練馬区における俳句のよりどころにしたいと思っています。
そのために、練馬区俳句連盟の活動では次の5つのことをおこなっております。

 きめ細かな運営で、多忙の中
積極的に情報を発信されています
きめ細かな運営で、多忙の中
積極的に情報を発信されています

1.俳句大会での特別選者です。
俳句を楽しむ人にとって良い経験、参考になるような特別選者を招聘すること。

2.ゲスト選者です。人口73万人の練馬区では俳句を楽しむ方が沢山います。
練馬区で活躍する俳句のグループの主宰や代表の方、それに俳句関係者に参加いただいて俳句のネットワークを広げていく。そして人と人との出会いを大切にして行きたい。

3.俳句大会の情報を広く発信することです。そして、練馬区俳句連盟の知名度を上げて行きたい。今度の大会でもチラシを1,000枚作成し、主要な個所へ配布しました。
①メディアです。JCOM、練馬新聞、俳句関係の機関紙(角川俳句、俳句四季などの)、
 それに新聞社などです。
②俳句関係者です。練馬で活躍している俳句結社や俳句会などです。
③練馬区内の公共施設です。石神井庁舎、区民センター、地区区民館、交流センターなどです。
④区内図書館です。現在12ヶ所へ配布しています。

4.活動を記録することです。
毎月の例会では「例会報」を、また春と秋の大会では「俳句大会報」を制作しています。
そして、活動の記録を残していくために練馬区内の図書館にもこれらを送っています。 

5.最後はアンケートをとること、です。
俳句大会ではアンケートを取るようにしました。
回収率は8割ほどで、この集計結果は次回の参考にしています」


――最後に、これからの展望とシニアへのアドバイスをお聞かせください。

今村 「まだ先になりますが、小学生のお子さんに俳句を教えたいです。
これは自分の考えをまとめるのに、とても良い訓練になるからです。

またシニアの皆さん、もし『これから何かやりたい』とお考えでしたら、
迷わず俳句をオススメします。
紙と鉛筆、それに歳時記と辞典があれば、いつでも出来ますし、ずっとできるのが俳句です。
たとえ車椅子が必要になっても、たとえベッドに寝ている時でも、俳句はできます。

日々の出来事を五七五に書いたら、どんな小さなことでもそれは自分自身の人生。
人生100年時代をどう生きぬくか、そんな時代だからこそ、俳句は良いのです。

参考までに、今年5月にJCOMのテレビ番組に出演しました。小林綾子の練馬人図鑑という
番組です。俳句を解り易く説明しておりますので、参考にしていただけると嬉しいです」
※検索方法:インターネットで「練馬人図鑑」→「俳句」と入力すると出てきます。


安藤 「これからは若い指導者が伸びてきて、言葉をさらに広げてくれるでしょう。
俳句はきっと、もっともっと楽しくなりますよ」

 お話を聞くこちらも、思わず
笑顔になる豊かな時間でした
お話を聞くこちらも、思わず
笑顔になる豊かな時間でした

今村会長はゆったりとした語り口にソフトな声、雄弁で、温和な表情の人でした。
お話を聞いているこちらもたびたび笑顔になりました。
安藤副会長は、歯切れのいい話し方で、人生を楽しんでいる様子がうかがえました。
皆さんもぜひ、俳句を始めてみませんか?そして句会に参加してみませんか??

サポーターの取材後記

なかなか
誰でも知っている芭蕉や蕪村の俳句、山頭火のような放浪の俳句、そして近代から現代の様々な俳句に接し、その世界を想像して楽しんで来ましたが、この度、日々作句される今村会長、安藤副会長のお話を聞き、俳句が身近に感じられました。今村会長から句集『遊神』を頂き拝読させていただくと、身近な日常が大自然、大宇宙につながる感覚も味わい、俳句に益々興味が湧きました。
「雑炊に妻の機嫌の塩加減」という一句からは温かい人柄や素敵なご夫婦が想われ、なにやら“私も一句”と思った瞬間でした。
GEN
俳句を少しかじり始めています。俳句大会のことを詳しくお聞きしたいと取材に同行させてもらったのですが、俳句の基本やあれこれを直接お聞きする機会になり、ラッキーでした。会長のお話のなかの“俳句は五七五の17文字、日記のように書く”を基本に続けてみようと思っています。伝統俳句とか、現代俳句とか、文語文法とか、奥深いに違いありませんが、でも、とにかく、俳句は面白そうです。

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