サポーター体験記
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台風に備える!練馬区の災害対策を直撃取材~有事の際の心構えや区の体制を、区民の目線でヒアリング!~

台風に備える!練馬区の災害対策を直撃取材
平成17年9月4の大雨の様子(練馬区立南大泉図書館)
日本は地理的に、毎年のように台風が発生します。
大雨でも甚大な水害等を引き起こしている昨今、練馬区民の皆さんにも、十分な心構えが必要です。
今回は、「シニアナビねりま」のサポーターが、シニアを代表して、「災害についてのアレコレ」を区民目線でリポートしました。
場所はまさに練馬区の安全を管理する心臓部、危機管理室からお送りします!

管理元:練馬区 危機管理室危機管理課庶務係

担当:発地 正樹(ほっち まさき)さん

電話
03-5984-2762
ホームページ
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/bosai/suigai/ame_anataha.html

練馬区の現状を知りたい!災害危険度や注意すべき場所とは?

練馬区の現状を知りたい!災害危険度や注意すべき場所とは? 危機管理課の発知さん。シニア世代ならではの、細かい不安や質問に丁寧に応えてくれました
危機管理課の発知さん。シニア世代ならではの、細かい不安や質問に丁寧に応えてくれました

―――昨今は豪雨でも大きな被害が出ていますね。
はい。危機管理課としても、気を引き締めています。先の西日本の豪雨では、練馬区も、岡山県倉敷市へ職員を派遣し、避難所の運営や被害状況の調査をサポートしています。

―――そもそもですが、練馬区って、水害等の危険性は、あるのでしょうか?
練馬区は、23区の中では、例えば東側のエリアほど水際ではないため、相対的に見れば、比較的安全な地域ですが、浸水の被害は出ています。

―――そうですか。少し安心しました。ところで練馬区で起こりうる(想定している)災害は、どのようなものがあるのでしょうか?
浸水と土砂災害等が挙げられます。ただ、広い練馬区の全てが危険、ということではありません。
そもそも土砂災害は「がけ崩れ」と「土石流」、「地すべり」の3種類に分類されるのですが、練馬区で発生する恐れがある土砂災害は、「がけ崩れ」のみです。なお、対象となる地域(区域)は、東京都が一定の基準のもと指定しているんですよ。5m以上の崖で、バンク(斜面の角度)が30度以上の場所が対象です。

―――ちょうどスキー場くらいの斜面ですね。具体的にはどのあたりになりますか?

 普段、その存在さえなかなか意識しない、「ハザードマップ」。記載内容を細かく確認
普段、その存在さえなかなか意識しない、「ハザードマップ」。記載内容を細かく確認

例えば「土砂災害のおそれのある警戒区域・特別警戒区域」は、5つあります。【桜台六丁目の高稲荷神社/公園】、【大泉町一丁目の稲荷山図書館】、それから【南田中三丁目の塚越の森緑地】、【五丁目の長光寺橋緑地】、あとは【旭町三丁目区域】ですが、ここは板橋区との境になりますね。
この他にも練馬区には、11ヵ所の土砂災害警戒区域・特別警戒区域の指定があります。
繰り返しますが、あくまでも警戒区域ですから、通常の雨風などで毎回危険になる、ということではありません。

―――ちなみに、練馬区で起きた災害について教えてください。
今までに練馬で起きた大きな自然災害は、「H17年9/4の集中豪雨」でしょうか。練馬区で実に738件もの浸水被害があったんです。H29年に少し大きめの台風が来たのですが、その時でも合計で5件程度の被害でしたので、17年の豪雨はとても規模が大きかったことになります。

避難場所を確認して万一に備える

―――・・・あまり想定したくないのですが、万一の場合はどうすればよいでしょうか?
まずは、情報を正しく把握することが重要です。そのうえで、安全に十分留意して、適宜避難してください。具体的な避難場所は、「練馬区浸水ハザードマップ」に掲載しています。ただ、状況によりご自宅が最も安全な場合もありますし、近くの避難所へ身を寄せることが良い場合もあります。ケースバイケースですが、いずれにせよ、避難場所の確認は一度しておいて欲しいと思います。

―――区や町の境目に住んでいるかたは、指定の避難場所に逃げないといけないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。「安全を確保すること」が最優先ですので、『必ずここに行きなさい』ということは、ありません。また、もし、判断に迷う場合は、あえて遠くに行くことはしなくてもよいと思います。

 区の全域を見て、『危険が想定される区域』と『ご自身のお住まい』を確認すると良いとのこと
区の全域を見て、『危険が想定される区域』と『ご自身のお住まい』を確認すると良いとのこと

―――一番近くを迷いなく選んでいいと。良かったです。ところで歳を重ねると、とっさの時に動けなかったり、場合によると寝たきり、なんてこともあると思うのですが・・・
そうですね。普段からの意識が重要なのですが、それでも不安な人は例えば水害時などに備えて、『水災害時要援護者名簿』に事前登録しておくことをお勧めします。

―――そんな名簿があるのですね!登録の条件は、何かあるのでしょうか?
はい。過去に浸水被害が比較的多く発生している地域や土砂災害警戒区域にお住まいの方で、健康や、避難に不安があり水災害時に自力で避難できない方が対象となります。

―――条件に当てはまらない場合には、どう対応すればよいでしょうか?
まずはご近所の住民同士で助けあっていただくことが基本でしょうか。身内のかたがお近くにいる場合は、万一の場合のことを共有しておくことも重要です。なお、避難勧告が実施された場合は、区・警察・消防が協力し、避難誘導を行いますので、安心してください。

―――実際に災害が起こる前の、普段の意識が重要だと。
その通りです。練馬区としても、「危機管理」に重きを置いています。危機管理はハード面とソフト面、両方の視点での対策が重要です。ハード面は例えば『雨量計』や『水位観測掲示板』などの設置、ソフト面では、『ハザードマップ』などの印刷物の作成や、『啓発活動』などが挙げられます。具体的な活動としては、梅雨前などでは、雨の被害が大きい地域に、一軒一軒、ポスティングでチラシを配布するなどの対策にも力を入れています。
また実家が遠方の若手職員などの住居として、区内に職員寮を設置しています。この寮の職員は、災害時にいち早く対応できるように態勢をとっています。若手という点も、いざという時には頼りになると思います。

取材中にチャイム!東京都との連携体制とハザードマップの使い方

―――(キンコン・キンコン)!!!この音はなんですか?危機管理課で聞くと、ドキドキしてしまうのですが・・・。
安心してください。あのチャイムは東京都からの情報共有の合図ですよ。1回目が予鈴、2回目に情報が来ます。今のは災害の知らせではなく、今日は台風を伴う雨なので、情報が来ているのだと思います。※取材時は8/6。

 東京都の画像伝送システム画面。当然、都の状況・情報も、密に共有されています
東京都の画像伝送システム画面。当然、都の状況・情報も、密に共有されています

―――先ほどからお話しに出てくる「ハザードマップ」について、具体的に教えてください。まず、どこで入手できるのでしょうか?
はい。浸水ハザードマップが青、土砂災害ハザードマップがオレンジです。これらは、本庁舎7Fの危機管理室にもありますし、防災学習センターや各区民事務所(練馬を除く)などで配布しています。

―――どう使えばよいのですか?表紙に記入スペースがありますね。
表紙には、万一の際の最寄りの避難場所を明記します。いざという時は気持ちも動転しますし、一度ご自身で書いておくことで、改めて認識もできますので、お勧めします。

―――中身はどんな内容ですか?
例えば「浸水ハザードマップ」では、練馬区全域を図示したハザードマップに避難所一覧、裏面には水位雨量観測システムの位置や、大雨・洪水警報・注意報の基準などがまとめられています。読書のつもりで一度、しっかり見ておいて欲しいと思います。

ぜひ1度予行演習を!散歩がてらに避難場所をチェックしましょう

―――最後に、日ごろからできる、防災について教えてください。
まずハザードマップを確認し、「万一の場合を意識する」ことがとても重要です。避難場所を確認する際は、ご自身の居住区近隣の状況を把握し、より移動のしやすい場所を知っておくことです。(例えば距離が短くても坂道などもありますので)1回だけでも、散歩を兼ねて練習(予行演習)しておくとよいでしょう。他には、「集水枡(しゅうすいます)」の掃除も重要です。道路の脇にある、よく見る穴の開いたコンクリートですが、ここが落ち葉などで埋まると、大雨・水害時などの水はけが悪くなるので、こまめな清掃が重要です。

 都内の遠方の状況もリアルタイムで確認可能。ニュースのお天気カメラのよう
都内の遠方の状況もリアルタイムで確認可能。ニュースのお天気カメラのよう

まとめ

練馬区では、「浸水ハザードマップ」「土砂災害ハザードマップ」がきちんと準備されており、各災害を想定した準備が整っていることがわかりました。しかし、有事の際の主役は私たち自身。普段なかなか意識しづらいことですので、この取材をきっかけに避難区域の確認、それから一度、下見に出かけてみようと思いました!

 浸水・土砂災害のハザードMAP。8月27日の大雨では練馬区内でも浸水被害が出ています。ぜひ一度、手に取るところから、始めてみてください
浸水・土砂災害のハザードMAP。8月27日の大雨では練馬区内でも浸水被害が出ています。ぜひ一度、手に取るところから、始めてみてください

※気象庁のサイトにも「自分で行う災害の備え」ページがあります。非常時に持ち出し物などは、ぜひご参照ください。
(特に高齢者の皆さんは、人によっては薬やオムツなどの準備も重要です。避難経路だけでなく、2泊程度する場合にどのような持ち物が必要になるか?想定して考えておくとよいでしょう!)

【その他:災害関連お役立ちリンク集】
練馬区防災に関する情報へのリンク:
http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/bosai/info.html

練馬区浸水ハザードマップ:
http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/bosai/suigai/hazardmap.html

練馬区民事務所の案内:
http://www.city.nerima.tokyo.jp/shisetsu/shuccho/jimusho/index.html

気象庁「自分で行う災害への備え」:
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/ame_chuui/ame_chuui_p10.html

東京都防災アプリ:
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/1005744/index.html

NHKニュース防災アプリ:
https://www3.nhk.or.jp/news/news_bousai_app/index.html

サポータの取材後記

mick
区役所内の危機管理室で直接説明を受け、災害対応用設備も見学し、練馬区の真剣な取り組みを実感しました。
災害対応寮まであるのは、初耳でした!
「準備・情報・行動」について、「練馬区防災のプロ」の目線で手ほどきを受けられ、区民としては心強い思いです。
まずは「ハザードマップ」を入手し、避難先など自分の環境を確認する事を通じて「台風災害等への対応力」や「自助パワー」は高められそうですね。
☆トコちゃん☆
テレビでよく見る定点カメラからの映像や、雨量観測情報や水位観測情報を映し出すモニター等に囲まれたり、取材中にも都からの情報を知らせる着信音がなったりと、普段、なかなか入れない練馬区危機管理室に行って来ました。
そのおかげで、練馬区では災害の手助けとなるものをたくさん発信していることがわかりました。
いままで私は、情報の20%位しか受信していなかった印象です。もったい無い!と感じました。

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