サポーター体験記
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季節を感じる向山庭園に行ってみよう~植物散策や趣味のサークルなどの憩いと交流の場~

季節を感じる向山庭園に行ってみよう
豊島園駅から徒歩3分の「練馬区立向山庭園」をご存じですか? 四季折々の花が咲き、樹木を飛び交う鳥たちが歌い、ひょうたん型の池では鯉が悠々と泳いでいます。「練馬区の迎賓館」と称され、誰もが気軽に自然と文化を楽しめる心和む憩いの場所、向山庭園を取材してきました。

練馬区立向山庭園(こうやまていえん)

園長:南出 久美(みなみで くみ)さん(指定管理者:アゴラ造園株式会社)

所在地
練馬区向山3-1-21
開館時間
9時~21時30分(但し、庭園散策は17時まで)
休園日
年末年始(12/29~1/3)
入園料
無料(和室、多目的室、茶室は有料)
電話
03-3926-7810
ホームページ
http://www.kouyama-teien.info

自然がいっぱいの向山庭園へようこそ!

自然がいっぱいの向山庭園へようこそ! 南出さんは、「利用者の方に気持ちよく過ごしてほしい!」ということを、一番に大切にしているそうです
南出さんは、「利用者の方に気持ちよく過ごしてほしい!」ということを、一番に大切にしているそうです

豊島園駅からほど近く、四季折々の風景が無料で楽しめる向山庭園。園長、南出久美さんに、まずは庭園を案内していただきました。

「庭園の植物を楽しみに来てくださる方が多いので、植物や木の名前がわかるようにプレートを付けています。ちょっと珍しい植物もありますよ」

江戸五木のひとつで庭木の王と言われる木斛(モッコク)などが、見頃を迎えていました。高低差のある地形を生かした植え込みに、大きくて美しいトンボが飛び交い、庭園にいるだけでゆったりとした気分に…。親子連れがベンチでたたずんでいるのも絵になります。

 取材日は、木々の緑がまぶしいほど鮮やかでした
取材日は、木々の緑がまぶしいほど鮮やかでした

「毎日、庭園に訪れる方もいるんですよ。植物があるので、虫や野鳥も飛来してきます。あまり知られていないのですが、池のほとりにカワセミがやってくることもあるんですよ」

おおっ、水辺を彩る青い宝石! カワセミの穴場スポットかもしれませんね。一般の方はもちろん、デイサービスなどの方も散策にいらっしゃることが多いそうです。

サークルや教室などで活発に利用されています

サークルや教室などで活発に利用されています ちょっと珍しい植物をご紹介します。(左から)花火のようなアリウムシューベルティ(5月頃)、外側が黄色くて内側が赤茶色のマツムラソウ(9月頃)、梅雨の頃、葉が半分白くなる半夏生(ハンゲショウ)など
(写真提供:向山庭園)
ちょっと珍しい植物をご紹介します。(左から)花火のようなアリウムシューベルティ(5月頃)、外側が黄色くて内側が赤茶色のマツムラソウ(9月頃)、梅雨の頃、葉が半分白くなる半夏生(ハンゲショウ)など
(写真提供:向山庭園)

――それにしても、庭園に溶け込むように建つ純和風建物の母屋と、池に面した茶室が美しいですね。

「向山庭園を設計したのは、内藤廣建築設計事務所です。彼の手がけた建物は日本各地にありますが、区内では、東大泉の『牧野記念庭園』や下石神井の『ちひろ美術館』があります」

 季節ごとに自然の美しさが楽しめます
(写真提供:向山庭園)
季節ごとに自然の美しさが楽しめます
(写真提供:向山庭園)

――母屋の中の施設について教えてください。

「1階に20畳(10畳+10畳)の和室が1室あります。2階に12畳の和室が2室、多目的に使える27平方メートルの洋室が1室、庭園に建てられた茶室、すべての部屋から庭園が眺められるんですよ。ロビーには無料の給水器があり、どなたでもおくつろぎいただけます。館内用の車椅子もご用意しています」

 しっとり落ち着いた雰囲気を醸し出す母屋の外観
(写真提供:向山庭園)
しっとり落ち着いた雰囲気を醸し出す母屋の外観
(写真提供:向山庭園)

――施設はどのように利用されているのでしょう?

「他の区内施設と同様の一般利用と、自主事業に分けられます。一般利用では、和室でヨガをしたり、お茶会、野点、俳句、将棋、囲碁、華道、フラワーアレンジメント、日本舞踊、着付けなどの教室やサークル、会議のほか、最近ではママ友の集まりにも使われていますよ」

 ロビーに並んでいる茶道具は、無料で貸し出してもらえます
ロビーに並んでいる茶道具は、無料で貸し出してもらえます

茶室のほか、2つの和室には炉が切ってあり、水屋も整っていますから、お茶会を楽しむ方が多いそうです。ロビーに陳列してある茶道具は、ディスプレイかと思ったら、なんと無料で貸し出ししてくれるとのこと。

趣向を凝らしたイベントいろいろ!

趣向を凝らしたイベントいろいろ! 「茶道講座」。和の空間で習うと、気分も上がりますね
(写真提供:向山庭園)
「茶道講座」。和の空間で習うと、気分も上がりますね
(写真提供:向山庭園)

「自主事業は、『文化・季節・人との出会いを提供する、庭園と一体となった和風文化施設』というコンセプトのもとに、企画を考えています。年間約30回、1か月に2~3回のペースで開催し、茶道、着付け、水彩画などの教室を開催していますので、ぜひご参加ください(予約制)」

――今まで人気のあったイベントについて教えてください。

「最近では、平成30年4月7日(土)に行われた『向山庭園観桜会』ですね。その日はプログラムは盛りだくさんでした。館内に生け花を展示して、玄関前の月見台では観覧無料の『まちなかコンサート』を行いました。本格的なバイオリンとチェロの弦楽二重奏によるクラシックコンサートで、延べ300人以上の来園があり大盛況でした」

大島桜が咲く庭園で生演奏が響き渡り…、うっとりするような優雅なひとときが想像できます。

「当日、最も好評を博したのは『桜と江戸野菜を楽しむ』というプログラムです。定員30名、参加費2,800円でしたが、すぐに満席になってしまいました。樹木医として著名な和田博幸さんの解説を聞きながら庭園の桜を鑑賞し、その後、和室で庭園を眺めながら江戸東京野菜を散りばめた和食花見弁当を味わう、という内容でした。参加された方々に喜んでいただくことが、私たちのやりがいになっています」

――落語会、お月見会、もみじまつりなどのいろいろなイベントがあるようですが、参加するにはどうしたらよいのでしょうか。

「向山庭園のホームページや館内掲示板で随時お知らせをしています。対象者も親子向け、国際交流を目的としたものなど、工夫をしています。この庭園をもっと多くの方に知っていただき、気軽に足を運んでいただけたらうれしいですね」

多くの人の心安らぐ場となりますように

多くの人の心安らぐ場となりますように サポーター取材の様子。多目的室の大きな窓から庭園が臨めるので、気分もゆったり
サポーター取材の様子。多目的室の大きな窓から庭園が臨めるので、気分もゆったり

――庭園はいつ頃できたのでしょうか?

「向山庭園の開園は昭和55年5月1日です。古く歴史をたどれば、この付近から北側の豊島園にかけての一帯は矢の山といわれ、中世豊島氏の一拠点であった練馬城址でした。庭園の池付近は湧水地であり、庭の傾斜はかつての谷で、練馬城の堀の役割を果たしていたと言われています」

う~ん、歴史の重みを感じますね。興味のある方は、「練馬区立向山庭園改築基本構想」に沿革が記載されているのでご参照ください。

* 練馬区立向山庭園改築基本構想
http://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/keikaku/shisaku/kumin/kouyama_kousou.files/kouyama_kousou.pdf

「施設の老朽化により改築となり、平成25年4月にリニューアルオープンし、現在に至ります」

庭に根を張る大木や、季節ごとによみがえる植物たちとゆっくり話すと、いにしえの物語が心に浮かんでくるかもしれません。向山庭園で日本文化に触れながら、心穏やかなひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

サポータの取材後記

なかなか
お話を伺った園長の南出久美さんは、改築前の向山庭園から関わり、新装オープン当初から現在まで、ずっと向山庭園の日々を見て来られた方です。その眼差しは静かであたたかく、この庭園を心から愛していらっしゃるのだなぁと感じられました。ありがとうございました。
mick
取材の日は梅雨の時期でしたが、幸いにも晴れの午後。紫陽花越しに池の鯉が優雅に泳いでいました。海外の人も訪れる、練馬区にとっての迎賓館的庭園だそうです。今まで何度か立ち寄った場所ですが、今回取材させていただいて、素晴らしい所だと改めて認識いたしました。次は庭のお茶室で、お茶会にチャレンジしたいなぁ。

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