サポーター体験記
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練馬で生まれた健康レシピ本〜料理初心者のための『カンタン自分ごはん』〜

練馬で生まれた健康レシピ本
「食べること」は「生きること」。健康に、豊かに、いきいきと人生を重ねるために大切な日々の食事を自分で作ってみませんか? これまで料理をしたことがない人でも大丈夫。練馬区で活動するボランティア団体が発行した『カンタン自分ごはん』は、料理初心者に優しいレシピ本なんです。「これなら作れそう」と思えるレシピが満載! 早速お話を伺いに行ってきました。

NPO法人楽膳倶楽部 

理事長:清宮 百合子(きよみや ゆりこ)さん
編集 :一木 喬(いちき たかし)さん

所在地
練馬区旭町1-31-4
電話
03-6915-6300
『カンタン自分ごはん』1冊500円(税込)
購入希望の方は、電話:03-6915-6300またはお問い合わせ
フォーム:http://www.rakuzenkurabu.jp/contact.html よりお申し込みいただければ郵送します。
送料込みで715円。

レシピ本が生まれた背景とは…

レシピ本が生まれた背景とは… 清宮百合子さん
清宮百合子さん

このレシピ本を作ったのは、NPO法人楽膳倶楽部。理事長の清宮さんは、高齢になっても地域で健康に楽しく人生を送れるようにとの思いを込めてNPO法人楽膳倶楽部を立ち上げ、さまざまな活動を展開しながらその思いを実現してきました。今年20周年を迎えるにあたり、その記念に発行したのが『カンタン自分ごはん』です。
※NPO法人楽膳倶楽部の活動については、過去のサポーター体験記をご覧ください。
 https://snavi-nerima.jp/supporter/detail.php?id=sprepo160

まずは、レシピ本ができるまでの経緯をお聞きしました。

「スーパーに行くと、高齢者の買い物客を多く見かけるようになったと思いませんか? それも男性の一人客。つまり、一人暮らしの男性が増えてきたんじゃないかと思うんですよね」

実際に、内閣府の調査でも一人暮らし男性の増加が報じられています。最期は妻に看取られるのが当たり前…といった固定概念は、もう通用しない時代。妻が認知症になったり、急な病気で先立たれたりすることもあるのですから、いつ1人になってもいいように、毎日の食事くらいは作れるようにしておきたいものですね。

 レシピ本制作に携わったメンバーの皆さん。
「失敗したり大笑いしたりしながら皆で作って食べると、つながりが深まり、表情もいきいきしてきます!」
レシピ本制作に携わったメンバーの皆さん。
「失敗したり大笑いしたりしながら皆で作って食べると、つながりが深まり、表情もいきいきしてきます!」

「奥様が施設に入居されて1人になった楽膳倶楽部の会員さんが、台所にあるいろいろな調味料をどう使っていいのかわからないと質問してきたんです。その質問を聞いているうち、今まで台所に立ったことのない高齢男性のためのレシピ本が必要だ!と思ったのです」

 レシピはどれも1人分の材料が基本
レシピはどれも1人分の材料が基本

タイトルの“自分”には、“自分のことは自分で”という意味が込められているとのこと。
「いつまでも奥様を頼りにしないで、男性にも自分の食事は自分で作れるようになってほしい。そう考えると、奥様が何もかもやってあげるのは、将来的に良いこととは言えないかもしれませんね(笑)」

料理ができるようになると生活が豊かになり、さらに他の人にも喜んでもらえる。おいしい物を食べる時は、誰もがいい顔になれる。『カンタン自分ごはん』は、そうした経験の中から生まれた一冊なのです。

「ここがすごい!」のポイント教えます

「ここがすごい!」のポイント教えます 健康レシピ本『カンタン自分ごはん』はB5判で48ページ。
初心者でもわかりやすいイラスト入りのレシピページ
健康レシピ本『カンタン自分ごはん』はB5判で48ページ。
初心者でもわかりやすいイラスト入りのレシピページ

早速ページを開いてみると、作り方の工程がイラストで分かりやすく説明されていて、読んでいるだけでも楽しいくらい。料理の写真もきれいなので、「作ってみよう」という意欲が湧いてきます!

構成は大きく分けて2つ。第1章では、そろえておきたいキッチングッズや調味料、野菜の切り方、正しい包丁の使い方、食材の保存方法など、「料理のイロハ」を写真やイラストを駆使して分かりやすく掲載してあります。第2章では、70種類のレシピを紹介。清宮さんがこだわったのは、①1,2,3のステップで簡単に作れること、②手に入りやすい食材と、できるだけ少ない種類の調味料で作れること、③誰にでも馴染みのある料理であること、の3点です。

 撮影用に作った料理の数々
撮影用に作った料理の数々

さらに、肉料理、魚料理、野菜料理、缶詰・乾物料理、豆腐・卵料理、丼・めんと、カテゴリー別に分かれているので、例えば「メインは肉料理から1品、副菜は野菜料理から1品」という選び方をすれば、バランスの取れた献立に! さらに、買って来た材料が余ってしまった場合の「もう1品」や、作りすぎて残ったレシピの2次利用レシピも! ここまで親切な料理レシピ本は、そうそうないのでは?!

 見事な連携プレーで撮影用の料理を作る楽膳倶楽部のスタッフの皆さん
見事な連携プレーで撮影用の料理を作る楽膳倶楽部のスタッフの皆さん

それもそのはず、選りすぐったレシピは全て「男性料理教室」の会員さんたちに試作してもらい、わからない言葉や、判断が難しい表現などを1つずつ検証しながら修正を重ねていったのだそうです。

 レシピ本の進行と編集を担当した一木さんは、
平成22年に「男性料理教室」の会員になりました
レシピ本の進行と編集を担当した一木さんは、
平成22年に「男性料理教室」の会員になりました

「料理に慣れている人は、“火が通ったら”、“油が回ったら”、といった表現でもわかると思いますが、私たちにはそれがどういう状態なのかわからない。5分煮るとか、肉の色がどんなふうに変わったらとか、判断しやすい表現を心がけました。やはり、女性と男性では目線の高さが違うんですよね」と、一木さんは苦労を語ってくれました。

もともとは編集の仕事をしていたという一木さん。レシピ本の編集を担った中心的存在で、表現の分かりやすさに加えて、表記の統一にも苦労されたそうです。理事のメンバーにイラストレーター、編集者を交えて最初の編集会議が開かれたのは平成29年2月。そこからほぼ1年かけて企画や撮影、制作が行われました。

地域に広がれ! 健康レシピ本

地域に広がれ!  健康レシピ本 平成30年2月に光が丘IMAホールで行われた20周年記念講演会の様子。
満席の大盛況!第一部ではレシピ本の紹介があり、来場者は熱心に聞き入っていました
平成30年2月に光が丘IMAホールで行われた20周年記念講演会の様子。
満席の大盛況!第一部ではレシピ本の紹介があり、来場者は熱心に聞き入っていました

レシピ本が完成したのは、平成30年1月。その後は、『カンタン自分ごはん』をテキストにした料理教室が毎月1回、光が丘区民センターで開催されています。開催日はNPO法人楽膳倶楽部のホームページに掲載されているので、前日までに申し込みを。参加費800円とバンダナ、エプロン、ふきんを持参してください。一人暮らしの男性だけでなく、料理初心者の女性も大歓迎とのことです。

参加者からは、「娘にきちんと料理を教えなかったので、この本を渡して材料の切り方などを伝えたい」「息子がこの本を見て料理に関心を持ち、自分の子どものお弁当を作るようになった」「今まで適当にやってきた自分のやり方を整理することができた」など、うれしい声が届いているそう。また、「結婚したばかりの孫に」「親元を離れて就職した甥に」と、何冊も購入する人もいるのだとか。

 サポーターの取材の様子
サポーターの取材の様子

「今後は高校生などにもアプローチして、食育に役立ててもらいたいですね。最近ではスマホで何でも調べられる時代。若者はスマホを傍らに置いて料理をすると聞きますが、レシピ本を手に取ってパラパラと見ていると、きっと『これ食べたい!』という料理が見つかる一冊。やはり、料理は体験してみないとわかりません。老いも若きも、女性も男性も、自分のごはんを自分で作って視野を広げ、イキイキと充実した人生を送ってほしいと願っています」

料理をする楽しさ、豊かさ、人と人とのつながりを熱く語る清宮さんでした。

サポータの取材後記

☆トコちゃん☆
取材中、一木さんが「料理教室で習ったわらび餅を家族が集まった時、孫と一緒に作ったら大好評だった」と、話してくださいました。今まで料理経験がなかった一木さんを中心に、お孫さんたちとわらび餅作りをしている楽しそうな光景が目に浮かぶようでした。わらび餅を作ることで生まれる新たなつながり。自分で作って食べる、一緒に作って一緒に食べる。そこから生まれる物っていろいろな可能性があると思います。食の力ってすごいですね。ちなみに一木さんは、今でもわらび餅を作ってお孫さんに持って行かれるそうですよ。
mick
男性向けの料理本に興味を持ち、今回取材をさせていただきました。3ステップでの調理手順紹介など、わかりやすい内容・展開に感心しました。本を見ながら、ポテトサラダ作りに挑戦してみたいです。男性シニアのみなさん、おかずにおつまみに、あなたも作ってみませんか?
なかなか
清宮さんは、真のボランティア精神の持ち主。より良い社会の実現を目指して行動し、共通の意思を持つ方々と共に、支え合い、協力し合っていらっしゃる。またその実現のために視野を広げ、社会の構造や風潮、さらに活動資金をまかなうための支援をどこに頼むかなど、現実をしっかりと見据えていると感じました。そして、編集担当の一木さんは大変穏やかな紳士。お2人にお話を伺い、人間的な大きさに触れて、本当にありがたい時間でした。

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