サポーター体験記
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給付金で快適な住環境に!〜高齢者に適した住宅改修のススメ〜

給付金で快適な住環境に!
年を取るごとに、家の中で不便を感じることが少しずつ増えてきませんか。手すりをつけたい、お風呂を浅い浴槽に替えたい、ドアノブをレバー式にしたい…。そんな希望が、給付金によってカバーできることをご存じですか? どんな種類の給付金があるのか、どうやって申請したらいいのか、区の担当者に詳しく取材してきました。

練馬区 介護保険課 給付係

係長 松田 典之(まつだ のりゆき)さん
   堀越 翔太(ほりこし しょうた)さん

所在地
練馬区豊玉北6-12-1
電話
03-5984-4591
ホームページ
http://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/soshiki/kenkofukushi/kaigo.html

住宅給付の積極活用を!

住宅給付の積極活用を! 松田さん(左)と堀越さん(右)は、難しい制度を具体的な事例をあげながら、わかりやすく説明してくれました
松田さん(左)と堀越さん(右)は、難しい制度を具体的な事例をあげながら、わかりやすく説明してくれました

練馬区の介護保険課で給付を担当する松田さんと堀越さんは、「家庭内事故は交通事故より多く、高齢者の住環境整備は今の時代に避けて通れない問題です。家族の方の介護負担を減らすためにも、必要な改修は申請していただいて、お困りの事態を解決してほしいです」と、給付制度の積極的な活用を勧めてくれました。

では、その給付制度にはどんなものがあるのでしょうか。
「自立支援住宅改修による給付は、大きく分けて二つの種類に分けられます。『高齢者自立支援住宅改修 予防給付』と、『高齢者自立支援住宅改修 設備給付』です」

介護認定の有無で変わる住宅給付

介護認定の有無で変わる住宅給付 【表1】早わかり「住宅改修給付」
詳細についてはホームページなどでご確認ください。
A 高齢者自立支援住宅改修 予防給付(http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/koreisha/jutaku/yobo_kaishu.html)
B 高齢者自立支援住宅改修 設備給付(http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/koreisha/jutaku/setsubi_kaishu.html)
【表1】早わかり「住宅改修給付」
詳細についてはホームページなどでご確認ください。
A 高齢者自立支援住宅改修 予防給付(http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/koreisha/jutaku/yobo_kaishu.html
B 高齢者自立支援住宅改修 設備給付(http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/koreisha/jutaku/setsubi_kaishu.html

「高齢者自立支援住宅改修」には、予防給付と設備改修があることがわかりました。ちょっと混乱しそうなので、概略を【表1】にまとめましたのでご参照ください。

A「高齢者自立支援住宅改修 予防給付」
「練馬区内に住所がある65歳以上で、基本チェックリストにおいて一定の基準に該当し、要支援・要介護認定で非該当と判定された方が対象で、介護予防が目的です。限度額は20万円。小規模改修が多く、手すりをつけたり、ドアノブをレバー式に替えたり、開き戸を引き戸に替えたいといった内容が主です。身体状況に起因するものであれば、支給の対象になります」

B「高齢者自立支援住宅改修 設備給付」
「練馬区内に住所がある65歳以上の要支援・要介護認定を受けている方が対象です。身体機能が低下したことによる不自由を解消すること、また介護する方の負担を軽減する目的もあります。足腰が弱くなって深い浴槽をまたげなくなったので浅い浴槽に替えたいなど、比較的大規模な改修が多く、限度額は内容によって違います。手すりや扉やトイレのご相談はもちろん、近年は昇降機(エレベーター)の取り付けに関するお問い合わせもあります」

 トイレに手すりを取り付けた事例
トイレに手すりを取り付けた事例

「上記2種は区が独自に実施している住宅給付です。それとは別に、介護保険の『介護保険住宅改修』もあります。要支援・要介護認定を受けている方が対象で、『高齢者自立支援住宅改修 設備給付』と併用できる内容もあります」

住宅改修の申請と手続きの流れ

住宅改修の申請と手続きの流れ 和室と、廊下にあった段差を、車椅子が通りやすいようにフラットにした事例
和室と、廊下にあった段差を、車椅子が通りやすいようにフラットにした事例

――「住宅改修を申請したい」と思ったら、最初に何をしたらいいのでしょうか。
「工事を着工する前に、要支援・要介護認定を受けていない方は、高齢者相談センター支所に相談してください。要支援・要介護認定を受けている方は、まずケアマネージャーと相談してください。どちらの場合も、ご家族の方でも結構ですよ」

相談の際に、どんなサービスが必要か、チェックリストで確認できるとのこと。練馬区には高齢者相談センター支所が25か所あります。ちなみに、練馬区では高齢者相談センターと呼んでいますが、一般的には地域包括支援センターと呼ばれているものと同じ機能です。

 「高齢者の生活ガイド」は、区役所や区民事務所などで配布しています。ホームページ(http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/koreisha/oshirase/koreisya-guide.html)からダウンロードもできます
「高齢者の生活ガイド」は、区役所や区民事務所などで配布しています。ホームページ(http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/koreisha/oshirase/koreisya-guide.html )からダウンロードもできます

大まかな手続きの流れは、以下のようになります。
①高齢者相談センター支所に相談
(要介護認定の方はケアマネージャー/認定なし・要支援の方は高齢者相談センター支所)
②支所職員が訪問(身体状況や家屋状況などの確認)
③施工業者を選び、申請書類を支所に提出
④書類審査後、決定通知書を自宅に送付
⑤工事着工〜完了(自己負担額の1割を施工業者に支払う)
⑥支所職員が訪問確認
⑦工事完了届出書類に署名・捺印(区が施工業者に給付金を支払う)

 「すぐわかる介護保険 〜わかりやすい利用の手引き〜」は、区役所や区民事務所などで配布しています。ホームページ(http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/kaigohoken/gaiyo/suguwakaru.html)からダウンロードもできます
「すぐわかる介護保険 〜わかりやすい利用の手引き〜」は、区役所や区民事務所などで配布しています。ホームページ(http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/kaigohoken/gaiyo/suguwakaru.html )からダウンロードもできます

施工業者は練馬区認定事業者であることが条件で、高齢者相談センター支所に認定事業者のリストがあります。馴染みの事業者に頼みたい場合は、事業者が区に申請すれば、確認後、認定を受けられます。どちらの場合も、利用者が見積りをとって、流れの③申請書類を支所に提出します。

その他、在宅復帰者への費用負担もあり

その他、在宅復帰者への費用負担もあり 高齢者相談センターの支所(http://www.city.nerima.tokyo.jp/shisetsu/koreikaigo/chiikihokatsushisho/index.html)は、区内に25か所にあります。お住まいの地域ごとに担当が分かれていますので、ご確認ください
高齢者相談センターの支所(http://www.city.nerima.tokyo.jp/shisetsu/koreikaigo/chiikihokatsushisho/index.html )は、区内に25か所にあります。お住まいの地域ごとに担当が分かれていますので、ご確認ください

――高齢者の住まいは、必ずしも持ち家ばかりではありません。賃貸住宅の場合でも、住宅給付は受けられるのでしょうか。
「オーナーさんの承諾書があれば工事は可能です。ただ、退出の際に現状復帰すること、復帰の費用は給付金が出ないことなどから、申請は持ち家の方がほとんどです」

 サポーターの取材の様子。住宅給付の制度などがしっかり理解でき、有意義な取材となりました
サポーターの取材の様子。住宅給付の制度などがしっかり理解でき、有意義な取材となりました

――これまで説明していただいた住宅給付の他にも、住宅に関する制度があれば教えてください。
「平成27年度よりスタートした、『昇降機・ホームエレベーター 設置費用支給(http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/koreisha/jutaku/setsubi_kaishu.files/3004shoukouki1.pdf )』があります。特別養護老人ホームなど介護施設から自宅に戻られた方が、安全に自宅で生活するため改修が必要と認められた場合に、自己負担1割で昇降機などの設置費用を支給します。これは、自宅に戻ってから3か月以内に事前申請が必要です」

介護保険や区の決まりごとはちょっと複雑ですが、まずは相談から。その際には質問を整理してから行くのがポイントです。給付制度などを活用しながら、住み慣れた家で長く快適に暮らしたいですね。

サポータの取材後記

あさぎり
60歳以上の高齢者のケガは、室外より室内の方が多いという事実を知り、びっくりしました。室内での転倒により軽傷から骨折など重傷、重度の寝たきりになるケースもあります。基本チェックリストで一定の基準に該当し、要支援・要介護認定の非該当者であっても、「転ばぬ先の杖」として住宅改修給付を利用できることも知りました。安心・安全な生活環境を保持するための重要な情報を伺い、安心感を得ると同時に私が間違った解釈をしていたこともわかり、目から鱗(うろこ)が落ちる思いでした。
オーパちゃん
高齢者自立支援に、きめ細かく周到な制度があることに、正直驚きました。住宅改修給付には、基本チェックリストで一定の基準に該当し、要支援・要介護認定の非該当者を対象とした「予防給付」、要支援・要介護認定を受けている方を対象とした「設備給付」、さらに「介護保険+区の支援」による給付について理解を深めました。高齢者福祉に関わる制度が一層充実するよう連携が進んでいる話もあり、高齢者の安全・安心のため有機的に一体化されて成果をあげていくことを期待しています。

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