サポーター体験記
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買い物支援や家事の補助からランチ・喫茶まで地域の人を支えるコミュニティショップ「ウェルカム」

買い物支援や家事の補助からランチ・喫茶まで
山間部や過疎地では近くに店がなく、食料品や日用品の購入がままならないことが深刻な問題だといわれていますが、近年は店も多く便利だと思われている都心部でも高齢者世帯が増え、外出や買い物に不便を感じる人が増えているといいます。

このように、日々の買い物に困っている人は買い物弱者といわれ、高齢者だけでなく、子育て世代や体が不自由な方などもそうです。経済産業省の推計では、「買い物弱者」は全国で600万人に上るとのこと。今後、高齢化や人口減少などが進み、その問題は一層深刻化していくとみられています。今は買い物に不便を感じていなくても、体力が衰えたときのことを考えると、買い物弱者は他人事ではなくなってくるのではないでしょうか。
そこで今回は、練馬区の買い物支援事業の拠点であるコミュニティショップ「ウェルカム」の代表・藤田庄子さんにお話をうかがいました。

コミュニティショップ「ウェルカム」代表 藤田庄子さん

所在地
練馬区下石神井1-18-21
電話
03-6913-4918
営業時間
月〜土曜午前11時〜午後6時 ※冬季(12〜3月)は午後5時まで
定休日
日曜
交通アクセス
西武池袋線・石神井公園駅南口から「阿佐ヶ谷駅行」に乗車し「下石神井一丁目」バス停で下車。バス停から見えます

直撃インタビュー

直撃インタビュー 2012年9月、買い物空白地域にオープンしたコミュニティショップ「ウェルカム」。生鮮品や日用品の販売、ランチや喫茶の営業をしています
2012年9月、買い物空白地域にオープンしたコミュニティショップ「ウェルカム」。生鮮品や日用品の販売、ランチや喫茶の営業をしています
 「ここが人と人をつなぐ場になれば」と「ウェルカム」代表の藤田庄子さん
「ここが人と人をつなぐ場になれば」と「ウェルカム」代表の藤田庄子さん

Q1.コミュニティショップ「ウェルカム」を始めたきっかけは?
A1.下石神井地域にお住まいの方が「今住んでいるところは買い物に不便なので家を処分して引っ越すことにした」と言っているのを聞き、「年齢を重ねてくると買い物ひとつ取っても大変なことなのだろう。地域に店がないのならば作ってしまおう」と考えたのがきっかけです。

Q2.開店して3か月過ぎましたが(取材時は平成24年12月)、振り返ってどのようなことを感じていますか?
A2.この店の大きな目的は「買い物支援」で、当初は肉・魚・野菜の生鮮食品の販売を行ったのですが、売れ残ってしまいました。このエリアはスーパーも小売店もなく、買い物に不便なことは確かでした。でもお客さんが少ない。「どういう人がここに買いに来るのだろうか」「買い物に行けない人というのはどういう人だろうか」と真剣に考えました。その結果、①本当に歩けない人はヘルパーさんに頼む、②歩ける人はバスなどを使って自力で買い物に行く、③生協などの宅配サービスを利用する、④パソコンが出来る人はネットで注文する。そう考えてみると、品数の少ないこの店に来る人は少ないのだという思いに至りました。

Q3.なるほど確かにそうですね。では肉・魚・野菜の販売はやめたのですか?
A3. 最近は、たくさんある商品の中から選んで買う生活に慣れており、少ないもので料理を作ることには慣れていない人が多いようです。今はやり方を変え、魚の切り身2切れ、キャベツ半分など、注文していただいたものをお店に届けてもらうようにしています。

Q4.買い物代行ということですか?
A4.そうです。このお店は、石神井公園と下石神井の各商店街と提携しているので、注文が入った商品を商店街へ連絡し、翌日お客様にここでお渡ししています。それでも残った食材はどうしよう、何とか活かすことが出来ないかと考えたのが、昼食のワンコインランチとお惣菜の販売でした。

Q5.ランチは誰でも食べられますか?
A5.はい。1食ワンコイン(500円)で、メニューは日替わりです。平日は調理師免許を持つスタッフを中心にした3つのグループで、曜日交代で作っています。毎週土曜日は管理栄養士が担当しています。コーヒーや紅茶など喫茶メニューもあります(200円)。お持ち帰りのお惣菜も日替わりで販売しています(100円〜)。安くておいしく、バランスのとれたメニューということで、高齢の方だけでなく、お子さん連れのお母さん達もいらっしゃいますよ。

Q6.「ねこの手サービス」もされているそうですね。
A6.お客さんから「忙しい時、ちょっと困った時に手を借りる術がないだろうか」という話があってスタートしました。ちょっとした掃除や買い物など、福祉の谷間の、家事援助サービスです。一番希望が多いのはお掃除ですね。あとは「デパートへ行きたいが、誰か介添えして欲しい」とか、「家族で出かけるので寝たきりの人の見守りをしてほしい」とか、「子どもの面倒を見ていてほしい」とか。利用料金は1時間1,200円。これが意外と好評で、今や「ねこの手」が足りなくなっているほどです。

Q7.苦労されていることは?
A7.この活動を手伝ってくれるボランティアや「ねこの手」のなり手がいないことですね。私は以前からNPOで「福祉サロン」という組織を立ち上げて活動してきました。そこのメンバーを中心に、働ける人が15人しかいないのが現状です。

Q8.スタッフは募集していないのですか?
A8.ここの良さは人の顔が見えるところ。お店に来てくださった人や、そのお友達など、良く知っている人がやってくれていますから大々的に公募はしていません。介護保険などでヘルパーさんを頼むと毎回人が変わることが多いですが、うちはいつも同じ人がお客さんのお宅にうかがいます。そこが良いと言われるので…。どなたかいらっしゃいませんか?(笑)

Q9.今後の展望をお聞かせください。
A9.この場所が人と人をつなぐ場になればいいと思います。全部を私たちがやるのではなく、いろいろなグループに関わってほしい。それをコーディネートするのが私の役目だと思っています。高齢の方ばかりでなく、子育て中のお母さんにも来てもらって、相互で助け合えれば。ここに来れば話しが出来る、いろいろな人との交流がある、というコミュニティーの場にしたいと思っています。

シニアにおススメできるポイント!

シニアにおススメできるポイント! 取材当日のランチメニュー。このボリュームで500円です
取材当日のランチメニュー。このボリュームで500円です
 コーヒーや紅茶など喫茶メニューもあるので、ふらりと立ち寄ってお店のスタッフと話をしていく人も多いとか
コーヒーや紅茶など喫茶メニューもあるので、ふらりと立ち寄ってお店のスタッフと話をしていく人も多いとか

・肉、魚、野菜などの生鮮品、お惣菜、日用品を購入できます。
・生鮮品は前日に注文すると、翌日にお店に届きます。石神井公園商店街と下石神井商店街の商店から新鮮なものを仕入れているので安心です。
・ワンコイン(500円)でおいしいランチを楽しめます。コーヒーや紅茶も200円と手頃。ランチや惣菜の食材も商店街から仕入れた食材を使用しています。
・地域の方が憩い、交流できる場です。お店の人やお客さん同士が和気あいあいと話をしていているので、気軽に立ち寄れます。
・店内でワークショップやイベントを開催しています。イベントなどを行いたい人、参加したい人、どちらも大歓迎だそうです。
・「ボランティア活動を考えているけど何から始めたらいいのかわからない」という人はお店に出かけてみては。藤田さんとお話したら、スタッフになれるかもしれません(ヘルパーなどの資格は必要ありません)。

サポーターの取材後記

おこたん
最初は買い物支援という取り組みで始まったそうですが、「一番のニーズは福祉の谷間のちょっとしたサービス」ということに考えさせられました。これからの超高齢化社会で自立して生きていくためのヒントをもらえた気がします。
風子
コミュニティショップ「ウェルカム」は駅から遠く静かな住宅街にある、あたたかなお店でした。このめまぐるしい世の中にこんなにのんびりとゆったりした場所があるなんて奇跡です。まるでテレビドラマに出てくるような優しいお店の人がいて、親しみのあるお客さん達が集まっていました。こういうお店が残っていける練馬区であってほしいと切に願います。それにしてもボランティア不足は深刻。もっとこのお店の存在が広く知れ渡ればいいのにと思います。

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