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高齢者の暮らしを支え、頼れる存在
~ほっとサポートねりまのサービス〜

取材日:平成29年10月20日 更新日:平成29年12月25日

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今は日常生活が難なくできているけれど、年齢と共に理解力が落ちたり、体が不自由になったりすれば、銀行や役所などの手続きも大変になってしまいます。身近に家族がいれば助けてもらえるけれど、いない場合はどうすれば? そんな不安や疑問に応えてくれるのが、練馬区社会福祉協議会が運営する「権利擁護センター ほっとサポートねりま」。将来に備えて、ほっとサポートねりまを頼れる味方にする利用方法などを伺いました。
権利擁護センター ほっとサポートねりま(社会福祉法人 練馬区社会福祉協議会)
所長:千葉 三和子(ちば みわこ)さん
専門員:冨田 祐一(とみた ゆういち)さん
■所在地:練馬区豊玉北5-14-6 新練馬ビル5階
■電話:03-5912-4022
■ホームページ:http://www.neri-shakyo.com/index.php/post/support/

「地域福祉権利擁護事業」が安心生活をサポート

 高齢者や障害者のためのサービスの案内や各種サービスの相談を受け付けている、ほっとサポートねりま。福祉の専門家である所長の千葉三和子さんと専門員の冨田祐一さんにお話を伺いました。

 「ほっとサポートねりまでは、判断能力や身体状況などを目安に3つのサービスがあります。1つ目は『地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業)』、2つ目は『財産保全サービス・手続き代行サービス』、そして3つ目は『成年後見制度の利用支援』です。利用者も年々増え、昨年度(平成28年度)の相談件数は延べ9,149件でした」

 自立して長く過ごすために、「地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業)」に焦点をあててお聞きしたいのですが。

 「日常生活の困りごとの相談があった場合、定期的な訪問で関わっていくサービスです。具体例をあげると、区から届いた通知を一緒に読んで手続きをしたり、銀行から生活費を下ろすお手伝いなどです。お金の管理については、日常的な金銭を対象にしています。『以前は一人でも手続きできたのに、億劫になってきた』、『福祉や介護に関するサービスはいろいろとあるけれど、自分では調べられない』というような、判断能力がやや落ちてきた方が主な利用者です。昨年度末で136名の方がこのサービスを利用しました」

サービスを受けたいときには…

 サービス利用までの流れは、どのようになるのでしょうか。

 「ご相談は無料ですから、まずはお気軽に電話をください。その後、専門員が何度か訪問し、生活の様子を見ながら、お手伝いの内容や毎月の訪問回数を決めていきます。支援計画を作成し、利用者とほっとサポートねりまとの間で契約を結びます。その後、計画に沿って生活支援員が定期的に訪問をします」

 なるほど。金銭管理にも関わるので、信頼関係を築いていくことが大切ですね。

 「『地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業)』は、日常的な買い物や掃除ではなく、福祉サービスの利用援助や金銭管理に関わることをお手伝いします。介護保険とは別のサービスなので、要介護度の認定や診断書などは不要です。とはいえ、介護保険が必要な状況になれば、私たち専門員がケアマネジャーや事業所と連絡を取り、介護サービスがスムーズに受けられるようにサポートもすることもありますよ」

 介護保険が必要になる前の、早めの相談が良さそうですね。定期的な訪問があることで、変化があれば早めに気付いてもらえる、人と会うことが張り合いになるなど、いろいろメリットが多そう。

 「利用者からは『書類を溜めずに手続きできるようになった』『お金の使い方が安定した』『困った時に相談できる人がいて、心強い』といった感想が寄せられています」

判断能力を目安に、個人に合わせたサービスを

 判断能力には問題がないけれど、身体障害や病気などで財産管理が自分では難しい方を対象としたサービスもありますか。

 「定期的な訪問ではなく、必要な時だけサービスを受ける『財産保全サービス・手続き代行サービス』があります。判断能力の状態がひとつの目安にはなっていますが、利用者の暮らしや事情、思いなど人それぞれ。人に寄り添う事業ですから、一定の枠に当てはめるような対応はせずに、より良いサービスをご紹介しています」

 区内には高齢者相談センター支所が25か所あるので、「街かどケアカフェなど、こうした場所で開かれるイベントに顔を出したり、ちょっとした困りごとを話したりしてほしい」と、千葉所長は語ります。

 「地域の中の『自分の存在』を知ってもらうことが大事です。町会や自治会に参加したり、ご近所とあいさつだけのつながりでも構いません。それが災害時などに活きてきます」

ひとりじゃない、悩む前に一報を!

 いざ、サポートを受けるとなった時に困らないように、通帳や印鑑、重要な書類などを整理しておくと良いようです。こういったことは判断能力が落ちてくると億劫になりがち。元気なうちから準備が必要だということですね。

 「本当に行き詰まってから相談する人が多いですが、その一歩手前に連絡を受けていれば、もう少しゆるやかにご本人の生活が守れたのではないかと思うこともしばしば。タイミングが難しいのですが、『元気なうちから相談!』を心がけてください」

 ほっとサポートねりまは、高齢者相談センターや相談情報ひろばなど、区内の各部署と連絡を取り合っているので、どんなことでもまず相談を受けて、しかるべきところにつないでくれる強い味方。「この内容はどこに連絡をすればいいのか?」と迷う必要はなく、相談ごとの道しるべとして、積極的に活用しましょう。困りごとは電話で一報を!

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かぐや姫

身近に頼れる家族がいない高齢者は多いと思います。「ほっとサポートねりま」の地域福祉権利擁護事業は、そういう方々が支援が必要になったとき、適切な福祉サービスを探したり、申請するための助けになっていることを知りました。他に、成年後見制度の利用支援や財産保全サービスなども行っています。助けが必要になったときは、まず電話をしてください。事業に該当しない場合は、適切な機関に繋げてくださいます。助けを必要とする方に差し伸べられている温かい手、「ほっとサポートねりま」の存在と活動を、多くの区民に知っていただきたいと思いました。

オーパちゃん

「周囲に迷惑かけないで最後まで自宅で過ごしたい。でも万一の時に安心して相談できる相手はどうしたら良いだろうか?」と、今は健康でも高齢期を考えると、誰でも頭をかすめるのではないでしょうか。「ほっとサポートねりま」は、認知機能が低下する以前の段階でも、相談できる窓口だと、今回の取材でよく理解できました。家の中で孤独な生活を送りながら一人で悩んでいる、そのような方を掘り起こす必要性が、高齢化社会では増していると感じます。今のうちからボランティアなどをして、高齢者世帯の事故や孤独死のような悲惨な事件のない明るい地域づくりに貢献しなければと思いました。練馬区社協が推進している地域福祉協働推進員「ネリーズ」は、平成27年度にスタートし現在は415名。近隣の方とつながって暮らしやすい地域づくりを目指すもので、今後ますますの活躍が期待されます。

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社会福祉士、精神保健福祉士の資格を持つ所長の千葉三和子さん。「館内にパンフレットやチラシなども置いてあり、オープンスペースもあるので、気軽に訪ねてください」とコメント

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専門員の冨田祐一さんは、社会福祉士の有資格者。サービスについて、事例をあげてわかりやすく説明してくれました

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練馬区社会福祉協議会(練馬区社協)のパンフレット。基本理念は「ひとりの不幸も見逃さない 〜つながりのある地域をつくる〜」で、そのなかの一部署として、ほっとサポートねりまがあります

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各サービスの内容が掲載されたパンフレット

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ほっとサポートねりまのサービスのひとつである「地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業)」だけをまとめたパンフレットもあります

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サポーターの取材の様子

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練馬区社協のキャラクター「ネリー」と一緒にパチリ!