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外国人に日本語を教えて、地域で異文化交流!
〜「初級日本語講座」から「ボランティア日本語教室」まで〜

取材日:平成29年10月24日 更新日:平成29年12月11日

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練馬区在住の外国人は、練馬区の総人口の2.4%…と言うと少ないようですが、数にして17,772人(平成29年10月1日現在)。その中には、日本語を習得したいという人たちが数多くいます。そんなニーズに応えているのが、練馬区が主催する「初級日本語講座」。外国人に日本語を教える活動を通して異文化交流の場が広がり、社会貢献ができるのではないかと考え、さっそく初級日本語講座が行われている「文化交流ひろば」へ取材に行ってきました。
練馬区 地域文化部 地域振興課 事業推進係:牧之内 有紀子(まきのうち ゆきこ)さん
初級日本語講座講師:大滝 敦子(おおたき あつこ) さん
■ 所在地 練馬区光が丘3-1-1 文化交流ひろば
■ 電話 03-3975-1251
■ホームページ:http://www.city.nerima.tokyo.jp/shisetsu/bunka/kominkan/koryu_hiroba.html

笑顔あふれる「初級日本語講座」の様子

 日本語を母語としない区内在住・在勤・在学の方を対象に、日常生活に必要な会話や読み書きを教える講座が、初級日本語講座「にほんごのきょうしつ」です。会場は、光が丘の「文化交流ひろば」。4か月で1クール(週2回・全30回。開始時期は4月と9月の年2回)となっており、受講料は1クールで3,000円+テキスト代2,700円です。

 さっそく、授業の様子を見学させてもらいました。まず驚いたのが、授業とは思えないような、外国人の生徒たちの楽しそうな笑顔と声! ちょうど、お店の人とお客さん役に分かれて買い物のシーンの会話を練習していました。
 「ジャガイモ3個、キュウリ2本、トマト4個…たっくさん買いましたね~!」などと先生が盛り上げるたび、笑いが起こり、とっても和やかな雰囲気です。

 続いて、りんごは「いっこ、にこ、さんこ」、ペンは「いっぽん、にほん、さんぼん」…と、声をそろえて数える練習です。最後は、十数名の参加者が3班に分かれてのグループワーク。それぞれ先生やアシスタントがつき、助け舟を出したり、解説をしたりして、会話を盛り上げていました。

講師の大滝先生は、生徒への愛情たっぷり︎!

 この講座で講師を務める大滝敦子さんと、アシスタントの道籏(みちはた)薫さん、飯塚裕子さん、区の担当の牧之内さんにお話を伺いました。
 「練馬区は、定住する外国人が多いので、日常生活や仕事のために勉強したいという方がほとんど。在日10年で会話は困らないけど読み書きができないなど、レベルは様々です。いずれにしても、彼らにとって日本語を学ぶことは家族を守ること。みんな真剣に取り組んでいますよ」と、大滝さん。

 講座は平日午前に行われており、子育てが一段落して改めて勉強したいという人や、臨時に開設された1階の保育室に子どもを預けて受講する人など、主婦がメイン。また、アニメやドラマが好きで来日した若者が、大学の授業の合間に通う人もいるそうです。国籍は中国やフィリピン、韓国などアジアの方がほとんど。年齢や国籍に関係なく、みんなで助け合ううち、クラスの絆が深まっていくのが面白いと大滝さんは話します。

 「日本語講師として大切にしているのは、生徒の『勉強したい!』という意欲を引き出すこと。ただ学ぶだけじゃなく、“使う”ところまで持っていくこと。そのために、相手から言葉を“引き出す”ように心がけています」
 そんな大滝さんは、なんと朝から晩まで授業のことを考えているのだとか! 「宿題は生徒へのプレゼント」「返ってきた宿題は、生徒からのラブレター」と言う言葉からも、生徒や仕事への愛が伝わってきます。

大人になってから興味あることを学ぶ面白さ

 練馬区主催の「日本語教室ボランティア養成講座」の募集を見て受講し、その後15年間のボランティアを経て大学の夜学に通い、日本語教師の資格を取得したという大滝さんですが、意外にも…
 「自分が勉強嫌いだから、どうやったら嫌いな人でも楽しく学習できるかを考えているんです。勉強嫌いな私でもわかるかどうかが、目安なんですよ(笑)」とのこと。

 大滝さんの授業のアシスタントを務める道籏さんと飯塚さんのお2人も、「日本語教室ボランティア養成講座」の修了生です。日本語を教えることにより、社会貢献しているという充実感や、異文化との触れ合いで世界が広がる楽しさを実感しているそう。

 「外国の方に、『日本に来てよかった』『練馬に住んでよかった』と感じてほしい」という道籏さんの一言が、心に残りました。

日本語教室のボランティア、やってみませんか?

 外国人への日本語指導法を学ぶ「日本語教室ボランティア養成講座」は、毎年8月に区報で募集をしています。期間は半年で、20回。講座修了後は、区内17か所の「ボランティア日本語教室」で日本語の指導を継続していきます。

 「大滝先生の初級日本語講座を卒業した外国人の生徒たちが、さらに勉強をしたい場合はこういったボランティア日本語教室を紹介しています。受講料は、無料のところから月額1,000円までと、良心的な価格設定になっています」と、説明してくださったのは、練馬区の担当者、地域文化部地域振興課の牧之内有紀子さんです。ところで、私たちシニア世代でも、ボランティアはできるのでしょうか?

 「何歳からでも始められますよ! 40代〜70代の女性が多いですが、年齢や性別は関係ないと思います。教える能力もさることながら、人と人をつなぐ力が大切。人生経験があるシニアの方だからこそ、向いているとも言えますね」

 2020年東京オリンピックも近いですし、身近なところから国際交流のきっかけができそうですね。最後に、牧之内さんからメッセージをいただきました。

 「日本語教師と、日本語講師ボランティアの皆さんの活動で、ひとりでも多くの外国人の笑顔を引き出せたらと思っています。ぜひ読者の皆さまにも関心をもっていただき、ご協力をお願いします」

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こみち

生徒さんたちが和やかに、楽しそうに学んでいる様子が印象的でした。皆さんの「日本語を話せるようになりたい」という強いモチベーションを引き出したのは、大滝先生のお力、お人柄、そして入念な準備であろうと思いました。アシスタントのお2人の先生との呼吸もぴったり。「生徒さんたちの“学びたい”という目が、やり甲斐です」とおっしゃっていましたが、先生という仕事の醍醐味はまさにそこにあるのだと思います。練馬区は他区に比べて定住する外国人とボランティア日本語教室が多いとのこと。興味のある方は「日本語教室ボランティア養成講座」にぜひチャレンジされてみてはいかがでしょうか。

ベジタブル

授業風景を見学させていただきましたが、先生がボードを使い、笑顔で日本語をわかりやすく教えていました。生徒さんも真剣に取り組んでいました。グループワークでは、先生やアシスタントの方がそれぞれ班に入り、カードを配ってヒントを出して生徒さんから答えを引き出していきます。次々とナイスな回答が出ます。アシスタントの方々は授業は自分たちも勉強になりますとのこと。とても楽しく取材させていただきました。

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情報コーナーには外国人向けの資料や、国際交流に関連するイベントや情報がたくさん!

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テキストも使いますが、講師の手作りの教材による実践的な学習方法が人気の秘密です

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3班に分かれてのグループワーク。この日は、1人がカードを引いてそこに描かれた物を、みんなが質問をしながら当てるというゲームで盛り上がりました!

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日本語講師の大滝敦子さん。生徒たちに何をどう教えるか、考えたり工夫したりしながら教材を作るのが楽しくてしょうがないと、熱く語ります

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大滝さん(中央)のアシスタントをしている飯塚さん(左)と、道籏さん(右)。「先生が作る教材が素晴らしい! アシスタントというより勉強させてもらっています」と、口を揃えます

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「にほんごのきょうしつ」の担当をしている、練馬区地域文化部地域振興課の牧之内さん

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「練馬区文化交流ひろば情報コーナー」の案内カード。周囲に助けが必要な外国人がいたら、こちらの窓口を案内してください!

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サポーターの取材の様子