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「日本銀行」を見学しよう!
〜一般見学に参加しました〜

取材日:平成28年12月22日 更新日:平成29年2月10日

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日本銀行の機能は「発券銀行」、「銀行の銀行」、「政府の銀行」として、遠い存在のようで、実は私たちの生活にも深くかかわっています。また、本館の建物は赤坂の迎賓館と並んで明治中期の建築物の傑作と言われ、国の重要文化財にも指定されています。現在に至るまでの長い歴史に思いをはせながら、日本銀行を深く知るための見学に参加してきました。
日本銀行 情報サービス局
■所在地:中央区日本橋本石町2-1-1
■見学日:月曜〜金曜(祝日、年末年始を除く)
■電話:情報サービス局(見学申込)03-3277-2815(月曜〜金曜 9時30分〜16時30分)
■ホームページ:日本銀行本店見学貨幣博物館

一般見学は厳重なチェックから

 日本銀行の見学には、予約不要の「当日受付見学」と、事前に予約が必要な「一般見学」の2種類があります。当日受付見学は20名の人数制限があり、本館の外観のみ。今回は本館の中にも入れる「一般見学」に参加してきました。

 見学当日、三越前駅から徒歩数分で、日本銀行本店の前に到着すると、圧倒的な存在感に思わず足を止めてしまいました。まず受付で身分証明書を提示し、手荷物検査とボディーチェック。まるで空港のような厳重チェックにちょっとドキドキしましたが、無事に待合室へ通されました。見学中の飲食、録音、撮影(中庭のみ撮影可)、喫煙は禁止との説明があり、2列になっていよいよ出発です!

一般見学スタート、日銀の窓口業務を垣間見て…

 まずは、現在実際に行われている新館の窓口業務の様子から。昔は多くのお客様を迎える場所でしたが、現在はシステム化によってほとんど来客の姿はありません。窓口の奥で多くの行員の方たちが端末に向かって黙々と仕事をしている姿が印象的でした。

 見学は2人のガイドさんが案内・解説をしてくれます。現在のようなかたちでの一般見学は“日銀の業務や歴史を肌で感じ、親しみを感じながら金融政策にも関心をもってもらう”ために、平成16年から始まったとのこと。小学5年生以上から参加可能で、見学者数は年間約4万人! 個人はもちろんのこと、地域や企業、修学旅行などでも多く訪れるそうです。

重要文化財の本館へ

 その後は、いよいよ重要文化財である日本銀行本館へ! 東京駅や国技館を手掛けた建築家の辰野金吾氏が設計、完成は明治29年。重厚な内装が施された廊下を歩いていると、まるで明治時代にタイムスリップしたかのよう。歴代の日本銀行総裁29名の一覧や肖像画が飾られているのを目にして、改めて日本銀行の歴史の長さを実感しました。

 見学の参加者には建築物への関心も高い人が多いようで、壁やドアの装飾なども熱心に見ていました。

 日本銀行の象徴とも言える緑のドーム屋根の真下にあたる部分は、展示室です。昭和38年当時の出勤簿や、始業と終業時に鳴らしていた拍子木、昭和初期の増築の際に発見されたナウマンゾウの化石など、珍しい展示物が並んでいます。天井まで約13メートルある奥の部屋は、重役会議や総裁室として利用されていたそう。どれもこれも貴重な展示物でした。

日本銀行の役割を知る

 日本銀行の業務開始は、明治15年10月10日。西南戦争がきっかけで発生したインフレを解消すべく、紙幣を発行して通貨価値の安定を図るために設立されました。初めは職員数55名だったそうですが、現在は支店32店、国内事務所14か所、海外事務所7か所。行員は約4,600名で、そのうち約2,700名が本店勤務とのこと。1日の平均取り扱い額は100兆円超! 想像もつかない金額ですね。

 見学の途中に約20分のビデオ上映があり、日本銀行の業務や組織について学びます。私たちが安心してお金を使えるように、①偽札が出回らないようにする ②お金の価値を安定させる ③金融システムの安全を支える というのが、日本銀行の大切なミッション。あらためて、生活に身近なところでも関係が深いことがわかりました。

 また、唯一のお札の発行機関でもあり、平成27年末に出回っていたお札は約98兆円とのこと。さらに傷んだお札は、住宅用建材やトイレットペーパーとしてリサイクル利用されます。千円札の寿命は平均1〜2年だそうです。お札の一生は、日本銀行から始まり、日本銀行で終わるんですね。

大満足の一般見学でした

 最後に向かったのは、地下1階にある地下金庫。アメリカ製で、10年前まで実際に使われていたものです。扉は厚さ90センチ、重さ15トンもあり、開閉は2名以上で手動で行っていたそうです。日本の中枢を担っていた大きな金庫は、さすがに圧倒的な存在感!

 約70分にわたる一般見学は、中庭を望むお土産売り場で終了です。撮影が許可されている唯一の場所なので、それぞれ買い物をしたり記念撮影をしたり、記念スタンプを押したりと楽しめます。最後に、一言メッセージをいただきました。

 「日本銀行が、皆さんの生活に近いところで仕事をしているということを知ってほしいですね。ぜひ予約をして見学にいらしてください」

 ありがとうございました。日本銀行の役割を理解し、貴重な歴史的建造物を間近に見ることができ、まさに“大人の社会科見学”として楽しめました。

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かぐや姫

円柱や丸いドーム、規則正しく並ぶ窓、重厚な日銀本館の建物を間近で見られた貴重な機会でした。普段は近寄りがたい本館の中で、その役割をわかりやすく説明していただき、貨幣せんべいなどのお土産まで販売されており、外観の厳(いか)めしさとは裏腹に親しみを覚えました。関東大震災や空襲、東日本大震災にもびくともしなかった本館が、現在免震化工事中。日本の最新の建築技術にも感心!

夢ブリッジ

「百聞は一見に如かず」。明治以来の歴史ある建物と発券銀行・政府の銀行・一般銀行の銀行といった重要な業務から、重々しい雰囲気を想像して見学に参加しました。最初に案内されたところは、仕切られた窓口業務で、そこでは職員の方々が姿勢よく黙々と職務に携わり、明るい雰囲気と清潔感が漂っていて、親近感を覚えました。

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入り口で「見学証」を受け取り、いざ見学へ!

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見学時にもらえるパンフレット一式。袋に入っているのは、役目を終えてシュレッダーにかけれらた紙幣。ちょっと珍しいお土産ですね

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2階建の本館はルネサンス様式とバロック様式で、内側がレンガ、外側が石の構造で耐震性に優れています。正面奥はお土産売り場

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中庭は、馬から荷下ろしをするスペースだったそう。ここに立っていると過去とつながるような不思議な感覚になる場所です

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中庭にある、馬の水飲み場だった消火栓。日本銀行のシンボルである獅子の顔があしらわれています

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お土産売り場。日本銀行オリジナルのグッズやお菓子などがそろいます

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お土産で一番人気があるという「お札せんべい」。3種類のお札が2枚ずつ入っています

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日本銀行が運営する「貨幣博物館」(見学は無料)はすぐ近く。本店見学とあわせて見学すれば、さらにお金のことに詳しくなれます! 月〜金の13時30分から行われる職員の展示解説はおすすめです