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街かどケアカフェで健康寿命を延ばそう!
〜高野台にオープンした「街かどケアカフェこぶし」〜

取材日:平成28年6月27日 更新日:平成28年8月25日

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昨年の日本人の平均寿命は女性87.05歳、男性80.79歳で、男性・女性とも世界のトップクラスだそうです。高齢になってもなるべく自立して元気で過ごしたいものですが、その健康寿命を延ばす手助けをしてくれるという「街かどケアカフェこぶし」が、今年4月にオープンしました。介護予防について学んだり、体操に参加したり、ただおしゃべりをしに行ったり…と、気軽に立ち寄れるとのこと。さっそく見学をさせていただきました。
街かどケアカフェこぶし
高齢施策担当部 高齢者支援課 生活支援体制整備係 係長 今井 薫(いまい かおる)さん
石神井高齢者相談センター 富士見台支所 社会福祉士 高橋 美樹(たかはし みき)さん
石神井高齢者相談センター 富士見台支所 看護師 出頭 雅子(しゅっとう まさこ)さん
■所在地:練馬区高野台1-7-29 谷原出張所内
■開館時間:月曜〜土曜の10時〜16時(祝休日、年末年始は休み)
■電話:03-5372-6300
■ホームページ:http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/koreisha/kenko/carecafe.html

練馬区初の街かどケアカフェがオープンしました

 練馬高野台駅改札から、西武池袋線の高架下のなだらかなスロープに導かれて谷原出張所の入り口にたどり着くと、「街かどケアカフェこぶし」の案内があります。

 ここは、石神井高齢者相談センター富士見台支所に併設された施設で、平成28年4月にオープンしたばかりです。建物の面積の半分ほどを占める明るいスペースにテーブルと椅子があり、お茶(無料)やコーヒー(100円)を飲める給茶機や自動販売機、電子レンジ、流し等がそろいます。第一印象は、明るく清潔で、静かな喫茶スペースという雰囲気でした。

地域の人たちが気軽に立ち寄れる場所

 どのような背景で街かどケアカフェが生まれたのでしょうか?
 「お年寄りが住み慣れた地域で暮らし続け、元気な生活を送れるようにするため、区民一人ひとりが自発的に健康増進や介護予防の意識を高める場として作られました」と説明してくださったのは、高齢者支援課生活支援体制整備係長の今井さんです。

 「地域のお年寄りが気軽に立ち寄り、お茶を飲みながら介護予防について学んだり、相談したり、交流したりできる場所です。区内でも高齢化率が高いという理由で、高野台が選ばれました。今のところ、利用者は歩いて15分圏内の方が多いですね」

 現在、利用者は1日35~40人ほどで、イベントがある時は70人近くが訪れるとのこと。メインは年配の方ですが、赤ちゃん連れの若いお母さんから90歳代の方まで、幅広い年代の方が足を運ぶと言います。

 「男性の利用率は26%ほどですが、実はこの数字は他の施設に比べてかなり高いんですよ。『居心地がいい』、『定期的に通う場所ができた』と、多くの方に喜ばれているようです。常駐のスタッフは、看護師と事務補助の2名体制ですが、必要に応じて支所の職員が協力し、対応しています」

充実した講座と自由な雰囲気

 街かどケアカフェこぶしの特徴の1つは、地域で活動しているボランティア団体や専門家が中心となり、3か月ごとに「認知症」や「在宅療養を知ろう」というようにテーマを決め、さまざまな講座やイベントを開催していること。

 「もの忘れ予防の体操や、ナンバープレイス(脳を活性化するパズルゲーム)、認知症の方と家族のためのオレンジカフェなどを定期的に行っています。その他、骨密度測定を2か月に1回、ひと月おきの身体測定と毎月の栄養講座、栄養口腔(こうくう)歯科講座もやっています」と、社会福祉士の高橋さん。

 この日は歯科衛生士による口腔歯科講座が行われていましたが、周りのテーブルでは、談笑している女性グループや1人でお茶を飲みながら新聞を読んでいる人など、自由に過ごせることも大きな特色だと感じました。
 「私たちスタッフは求められることには対応しますが、干渉はしません。利用者の皆さんには自由に過ごしていただいています」
 あえて講座やイベントのない日を設けて静かに過ごす時間をつくり、バランスを取っているそうです。

「街かどケアカフェこぶし」がめざすもの

 もうひとつ印象的だったのは、直接足を運ぶことを基本にしていること。例えば、2か月に1度行われる骨密度測定の申し込みは、電話では受け付けていません。骨密度を測ることが目的ではないため、栄養相談と併せて申し込みが必要だという説明を受けた上で、予約を受け付けるそうです。

 また、毎月20日過ぎに翌月の講座やイベントの予定が掲示されますが、あえてホームページでは公開せず、直接利用者が見て確認できるようになっています。利用者とスタッフとの対面でのコミュニケーションを基本としており、街かどケアカフェこぶしの情報は、少しずつ口コミで広がっているそうです。

 看護師の出頭さんは、「学校には保健室がありますが、ここは地域にお住まいの方の街の保健室的な場所になるよう心掛けています。気軽に健康診断の結果を相談しに来たり、スタッフや利用者たちとおしゃべりをしに来たり、いろいろなことを学んだり…、地域の皆さんができるだけ長い間、元気に過ごせるようにサポートしていきたいと思っています」と話します。

 「友達をつくったり、高齢者やその家族が寄り合える場となったり、さらには、元気なうちから自分の生き方や終末を迎える心構えを学び合える場にもしていきたいです」(高橋さん)

 「職員の人数が限られているので、今後、区民の方と協力して、そのような場にしていきたいですね」(今井さん)

 このように、スタッフの方々の熱意に支えられて「街かどケアカフェこぶし」は着実に高野台に根を張り、その役割を果たしているように感じられました。

 健康寿命を延ばす手助けとなるこんな温かい街かどケアカフェが、身近なところにあると、シニア世代や家族にとっても心強いですね! 今後、区内にケアカフェを増やしていく計画もあるということなので、期待したいと思います。

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看板や入口はややお役所っぽく感じますが、中に入ればスーパーの“休憩スペース”のような親しみやすい空間です。在室している看護師さんと気軽におしゃべりできるのがいいですね! お話をお聞きしてスタッフの方々がイベントのテーマ選びなどに腐心されていることがよくわかりました。細かいところまで気配りが行き届き、温かい気持ちにあふれた場所だな~と感じました。

かぐや姫

街かどケアカフェこぶしの第一印象は「明るい、静か、清潔」でした。区の出張所の待合室に設けられた、気軽に入れる休憩所のようです。看護師さんが、“街の保健室的な存在”を心掛けているとおっしゃっていた通り、気軽に利用できる、温かい、優しい、かつ頼りになるカフェでした。私の街にもあったらいいな。

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練馬高野台駅のすぐ下にあるので、アクセスも抜群!

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左から、今井さん、看護師の出頭さん、社会福祉士の高橋さん

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取材時に行われていた口腔歯科講座では、参加者が歯科衛生士のお話を熱心に聞いていました

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カフェの片隅には血圧測定器が設置されているので、いつでも測定できます

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区内の情報誌やチラシなどが見やすくきれいに並べられていました

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時間内であればいつ来ていつ帰ってもよく、講座の参加も自由。拘束されない気軽さが魅力

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シニアナビサポーターによる取材の様子