141
カテゴリ
「食のほっとサロン」で和気あいあい
~おいしい昼食と会話、健康指導やレクリエーションまで〜

取材日:平成28年6月21日 更新日:平成28年7月26日

sprepo141_top
練馬区には、シニアが会話を楽しみながら食事ができる「食のほっとサロン」がたくさんあります。今回はその中のひとつに伺って、一緒に体験させていただきました。会食を中心に口の体操やおしゃべりなど、楽しい空間が作り出されていました。

「食のほっとサロン」は、65歳以上の高齢者を対象とした、登録制のサロンです。現在、区内に15か所あり、実施する頻度は月2回から週1回と、サロンによって異なります。一人暮らしで家に閉じこもりがちな方や、地域の人と知り合いたい方におすすめです。
練馬区立豊玉高齢者センター「食のほっとサロン」豊温楽(ほうおんらく)
総合職 渋谷 芽衣(しぶや めい)さん
■所在地:練馬区豊玉中3-3-12
■利用時間:毎週火曜日11時30分〜13時(利用料金 600円/回)

食のほっとサロン
練馬区 高齢施策担当部 高齢社会対策課 総合事業係
■所在地 練馬区豊玉北6-12-1
■電話 03-5984-4596
■ホームページ http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/koreisha/ikigai/shoku_salon.html

「食のほっとサロン」は区内に15か所あります

 今回、取材で訪れた豊玉高齢者センターの「食のほっとサロン」豊温楽では、60代~90代の17名が登録しています。各テーブルにはチェックのテーブルクロスが掛かり、おしゃれな雰囲気。入口で利用料600円を払い、座る席はくじを引いて決めます。

 「くじで席決めするのは利用者の方のアイデアです。いつも同じ方と一緒よりいろいろな方とお話ししたほうが楽しいですよね」と豊玉高齢者センター職員の渋谷さん。

 午前11時30分、職員の方の司会でサロンが始まり、本日の予定やお弁当のメニューについて説明がありました。食後は、プリザーブドフラワーで夏らしいフラワーアレンジメント作品を作るとのこと。

食事の前に口の準備体操

 食事の前にまずはお口の体操です。首を前にゆっくりと倒して戻したり、左右を見たり、首の体操をしてから肩の上げ下げ。次は手鏡を見て、頬をふくらませてすぼめる、舌を長く出すなど。口の周りのマッサージも行います。

 体操とマッサージ効果でじんわりと唾液が出てきました。職員の方の掛け声と動作を描いた紙芝居のおかげで、初めてでも戸惑うことなくできました。さあ、これで食事にむけての準備は完了です。

 食事は地域で人気の仕出し弁当。ご飯の量は希望により、普通・少なめの2種類が用意されていました。これに職員手作りの具だくさんみそ汁がつきます。今回は豚肉、大根、にんじん、しめじなどが入った豚汁でした。

 「みそ汁を作っていると、早めに来た利用者の方からいろいろ教えてもらえます。きのこは水から入れるとか、豆腐はこう切るとか。まるでお姑(しゅうとめ)さんがいっぱいいるみたいで、勉強になってありがたいです!」と渋谷さん。

バランスのとれた食事と楽しいおしゃべりと

 利用者さんに「食のほっとサロン」に対する感想をお聞きすると、個人の背景も見えてきました。
 「夫を亡くしてからここに通い始め、皆さんとおしゃべりしているうちに元気になりました。もう8年になります」(80代・女性)

 「家にいると妻に邪魔にされるからここに来る(笑)。区報を見て申し込んだけど手続きは簡単だったよ。『食のほっとサロン』は気楽に参加できていいね」(80代・男性)

 「豊温楽が始まったときから来ていて、もう10年になります。お弁当は栄養バランスがよく、彩りもきれい。私たち高齢者の要望をお弁当屋さんによく伝えてくれています。家で一人で調理していると、こんなにたくさんの食材を使えないので、ありがたいですね」(70代・女性)

 「食のほっとサロン」の登録期間は2年間ですが、引っ越しや入院などで欠員があると、待機している方に声を掛けたりします。新規登録の時期には館内に募集のポスターを掲示しています。

フラワーアレンジメント作りに挑戦

 食事の後はテーブルを片付けて、この日はフラワーアレンジメントを作りました。プリザーブドフラワーや葉などを形よくオアシスに挿し、それをケースに入れて、砂と小さな貝殻を散らしたら完成。波の音が聞こえてきそうな、夏向けの涼しげな作品です。皆さんの作品は、7月10日にある施設のおまつりで展示し、来館者の目を楽しませるのだそうです。

 最後に練馬区の歯科衛生士の方から歯磨き指導のもと、歯磨きを行うと1時間30分の楽しい時間は、あっという間でした。

みんなで作り上げるレクリエーション

 食後のレクリエーションは毎回バラエティに富んでいます。今回は工作でしたが、そのほかに歌を歌ったり、川柳を作ったり、落語を聞いたり…。利用者の方に手品を披露してもらったこともあるそうです。

 「皆さんの意見を取り入れたり、得意なことを披露してもらったり、ここは利用者の皆さんで作っていく場になっています。当初はほとんど口もきかず硬い表情だった方が、しばらく通ううちに笑顔が出るようになってくるのを見ると、うれしいですね」と渋谷さん。

 食事をする、おしゃべりをする、工作をする…。最初は知らなかった人同士がだんだんと顔なじみになり、共有する心地よい時間を作り上げていることを体感しました。

spcomtitle

れんげそう

皆さんがここに来るのを楽しみにしていることが伝わってきました。自立して生活できるが、現役世代と同様に活動するのは難しい。そんな高齢者が活動できる場が少ない気がします。でもここは、後期高齢者が無理なく参加できるプログラムを実施していました。今回紹介できてよかったと思います。

きさらぎ

平均年齢83歳の皆さんと一緒に、口の体操・唾液腺マッサージや食事、工作を行いました。女性が多いように感じましたが、他のサロンに比べて男性比率が高いそうです。今回は全15人中男性が4人。あちこちで話が弾み、楽しくほっとしたひと時を過ごせました。

sprepo141_01

渋谷さんは、ハツラツとした声で、口の準備体操をリードします

sprepo141_02

「食のほっとサロン」豊温楽は、練馬区立豊玉高齢者センターで行われています

sprepo141_03

鏡を見ながら口の体操をする利用者の皆さん。口の体操を食事の前に行うことで、唾液の分泌が促され、食べ物が飲み込みやすくなります

sprepo141_04

食欲がそそられる彩りの良いお弁当。利用者さんの反応を見ながら、お弁当屋さんも変えているそうです

sprepo141_05

みんなと一緒にいただくと、なおさらおいしい。会話も弾みます

sprepo141_06

男性も女性も集中して、フラワーアレンジメントを作成中

sprepo141_07

プリザーブドフラワーを使ったフラワーアレンジメントが完成! ステキですね

sprepo141_08

サポーターの取材の様子