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練馬の歴史をもっと深く知ろう!
〜石神井公園ふるさと文化館〜

取材日:平成28年6月11日 更新日:平成28年7月11日

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 練馬区の歴史や文化、地理などを体験しながら楽しく学び、観光情報なども発信していく新しい博物館として、平成22年3月にオープンした石神井公園ふるさと文化館。石神井公園に隣接しているので、散歩がてら、立ち寄るにもぴったりのロケーションです。行ったことのある人もない人も、まだまだ知らない「練馬」を発見できる場所です!
練馬区立 石神井公園ふるさと文化館
館長:富樫 雅彦(とがし まさひこ)さん 広報:新川 晃代(しんかわ てるよ)さん
■所在地 練馬区石神井町5-12-16
■電話 03-3996-4060 
■開館時間 9時〜18時
■休館日 月曜(祝休日の場合は、その直後の祝休日でない日)、年末年始(12月29日〜1月3日)、臨時休館日
■URL http://www.neribun.or.jp/furusato.html

昔があるから、今がある

 館内は、大きな窓からたっぷり光が差し込んで明るく、広々とした快適空間。まずは、この施設のメインとも言える2階の常設展を案内していただきました。武蔵野台地の地形の展示コーナーから、館長の富樫雅彦さんの熱のこもった解説がスタート!

 「せき止めて造った石神井池と違い、三宝寺池は自然な湧水池だったため、動物が集まり、それを追って人間の営みが始まりました。昔からこの辺りは恵まれた土地なんです」
 「練馬区域周辺には、奈良時代に整備された官道の『乗潴(のりぬま)』駅が置かれ、一説には練馬の語源になったとも言われています」
 「この辺りは稲作には不向きで、水が比較的少なくても育つ麦作が中心となり、小麦文化が発達したのです」

 …と、説明を聞きながら展示を見ていくと、「昔が今につながっている」「過去の人々の生活の積み重ねが今の練馬を形作っている」ということがわかってきます。そんな大昔から人間が暮らしていたなんて、なんだか不思議な感じがしますね。

「ふ・る・さ・と」の4文字にこめた思い

 ふるさと文化館のコンセプトは、「ふるさと」の頭文字をとって、「ふれあう(交流)」・「ルーツを知る(学習、探求)」・「さわれる(体験)」・「とりかえられる(更新性)」の4点。

 特に大切にしているという「ふれあう(交流)」を実感できるのは、館内に常駐しているサポーターの存在です。研修を受けて活躍しているサポーターは現在92名の登録があり、シニア世代も多く活躍しているそうです。
 「それぞれ専門分野が違うので、人によって違う話が飛び出すのが面白いんですよ」と、富樫さん。展示だけでなく、“人”も魅力のひとつ。だから、来るたびに違う発見ができる…年間18万人という来館者数も納得ですね。

 また、「とりかえられる(更新性)」というのは、展示内容やレイアウトの入れ替えがしやすい構造ということ。パネルを取り外せたりキャスターが付いていたりと、業者に頼まずスタッフだけで展示の入れ替えが可能なのです。
 「柱以外はすべて動かせます。体験し、触れられる展示を重視しているので、機械的なものはなるべく入れないように意識しています」

 今後、リニューアルも予定しているとのこと。どんな展示が新たに登場するのか、今から楽しみです。

ほっと安らぐ空間、旧内田家住宅

 石神井公園ふるさと文化館のすぐ隣の「池淵史跡公園」に移築された旧内田家住宅は、練馬区指定文化財のかやぶき屋根の古民家。練馬区中村橋で約120年間実際に使われていた家で、湾曲した木材をあえてそのまま使うなど、昔の人の知恵と技術に圧倒されました。
 開け放たれたガラス戸や土間から入る涼風が心地よく、思わず畳の上で大の字になって昼寝をしたくなるほど。

 座り机が置かれた畳の部屋では、静かに読書をする人がいたり、友達と勉強をする小学生のグループがいたり…地域の人たちがお弁当を食べたりして過ごせる場所としても活用されているのが印象的でした。

毎週、魅力的なイベントを開催

 指定管理者制度により、平成26年度から運営を担当しているのは、(公財)練馬区文化振興協会。公立の施設としては突出してさまざまな事業に取り組んでいます。毎週土曜日には、「ふれあい土曜事業」として、子どもから大人まで楽しめる企画が盛りだくさん!

 「サポーターさんと一緒に旧内田家住宅で七夕飾りを作ったり、いろり端で昔ばなしを聞いたり、といった企画も人気です。また、ここから徒歩10分の分室で開催している『五味康祐さんのオーディオで聴く名盤レコードコンサート』には、全国から参加者が集まるんですよ」と、富樫さん。

 東京23区の郷土資料事業で、ここまで力を入れているのは珍しいそう。職員の新川さんも、「民間だからこその柔軟性とスピードを生かして、『変わったね!』と評価していただけるように頑張っていきたいです」と、意気込みを語ってくれました。

 最後に、シニアナビねりまの読者の皆さんへのメッセージをお伺いしました。
 「“練馬ってすごいところなんだよ!”とお伝えしたいです。お囃子(はやし)や、ちがや馬など地域に残る文化のブランド力も、もっと発信していきたいですね」(新川さん)
 「大切にしているのは、区民の皆さんと相談しながら作り上げること。どんどんブラッシュアップしていきますので、ぜひご来館ください」(富樫さん)

 熱意あるスタッフやサポーターに触れ合え、すっかりファンになってしまいました!

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Keith

初めての訪問。旧石器時代から昭和40年代までの練馬の歴史を、実際に見たり触ったりできる体験型のたいへん楽しい場所です。館長をはじめ、専門知識を持つ登録サポーターの方々が、見学者の質問に親切に答えてくれます。同級生とともに昔を懐かしむも良し、子供・孫に昔の生活を伝えるも良し。東京23区の中で、練馬の施設は評価が高いとのこと、誇らしいなぁ。

ハニー

「ふ・る・さ・と」のキャッチフレーズに込められたスタッフの皆さんの熱意と行動力をひしひしと感じました。練馬の歴史、風土、文化、地理、特徴などに丁寧に答えてくださり、練馬が私にとってまさに「わがまち練馬」になった体験でした。池淵史跡公園は、旧内田家住宅や竪穴式住居跡、道祖神もある、とても静かな空間です。散歩がてら一回りされてはいかがでしょうか。

ねりまのすけ

3万年も前から練馬に人が住んでいたこと、女性と男性で食べていたものが違うことにとても驚きました。旧石器時代から現代へと続く間、武蔵野台地の安定した地盤と三宝寺池など3つの湧き水によって、人々が集い、暮らしていった様が丁寧な説明と展示物によって、映像を見るように理解できました。家族ともう一度ゆっくりと見学したいと思います。

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展示だけではなく、土器のパズルがあったり、黒曜石のナイフの切れ味を試すことができたりと、実際に体験できるコーナーが多いのも特徴

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今昔の地図を重ねて比べるコーナー。自分の住む場所をそれぞれ探して盛り上がります!

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かつて練馬大根を4000本も漬けていた本物の樽。迫力の存在感!

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昔使われていた道具を実際に背負える展示物もあります

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毎年12月には、職員とサポーターで大掃除をするという旧内田家住宅。「自分たちの手で守っていきたい」という心意気を感じます

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「文化歴史資料は散逸してしまったらおしまい。ここが練馬区の“最後の砦”だと自負しています!」と館長の富樫さん(左)と職員の新川さん(右)

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1階の「むさしのエン座」では、昔から食されていた武蔵野うどんを味わうことができます。写真は、豚肉、ごぼう、ニンジン、油揚げが入った糧(かて)汁に小松菜や薬味を加え、うどんを入れた「糧うどん」(800円)