110
カテゴリ
知的好奇心を満足させるために「東京雑学大学」へ
~シニアにも、高度な最先端の学問を~

取材日:平成27年2月19日 更新日:平成27年4月10日

sprepo110_02
東京雑学大学は市民が自主運営し、生涯学習を目的としています。練馬区隣接の西東京市を活動の拠点に授業を実施、誰に対しても門戸を開いています。「東京雑学大学のご案内」によれば、平成7年8月20日に開学となっていますので、既に20年近い歴史があり、我々が取材に行ったときには、977回目の講義がなされていました。この息の長い活動には驚く限りです。また、極めて低廉な費用で最高度の講義を受けられるので、シニアにとってはありがたいことこの上ないです。
講義は毎週聴講でき、政治、経済、理系、文系等の13の教科があり、幅広く知的好奇心を満足できる仕組みになっています。講義予定表は、東京雑学大学のホームページに掲載されていますので、興味のあるものだけでも聴講可能です。
東京雑学大学
理事長 菅原 珠子(すがわら たまこ)さん
副理事長 芝吹 匠一(しばふき しょういち)さん・川越 功(かわごえ いさお)さん
当日の講師 高野 正美さん
役員の方々、学生会 会員
毎週開講していますが、開講曜日と内容、教場は変わるのでホームページで確認してください。
■問い合わせ t_zatudai21@castle.ocn.ne.jp
■ホームページ http://tzatudai.ec-net.jp/

直撃インタビュー

Q1.どのような経緯で開学に至ったのですか?

A1.前理事長の菅原範人が早稲田大学卒業生のための保谷稲門会を作った時(昭和62年7月)に、2ヵ月に1回の頻度で文化講演会を開始しました。保谷市文化協会(平成7年2月開設)でも2ヵ月に一回講演会を開催しており、両方で毎月1回の頻度で講演会を行っていました。それが非常に評判良く、もう少し続けようということになりました。当時、15年前から活動を続けている吉祥寺村立雑学大学がありまして、見学へ行き、それに準じたものとして、保谷田無雑学大学という名称でスタートし、毎週1回の講座を実施しました。講座は本日で977回となり、今年の8月には1,000回を迎えることになりますので、開学20周年の記念講座を考えています。

Q2.開学の目的、理念、活動を長期にわたり継続するための仕組み、組織等について教えてください。

A2.東京雑学大学の目的は、東京雑学大学のご案内に示してありますように、「学生会会員及び地域住民に対して、いつでも自由に参加できる学習機会を提供するとともに、心豊かな文化的社会の構築に寄与すること」であり、「発見と感動の生涯学習」を目指しています。開学前に「講師を求む」の記事が朝日新聞に掲載されると数十人からの応募があり、週一回の実施を決めました。また、活動の安定的な実施のため、NPO法人にし、現在は理事長、副理事長を含むスタッフ18名が会の運営を支えています。毎週の講義は、日曜または木曜の午後の2時間、西東京市内にある公民館や市民会館をお借りして行っています。最初は、日曜のみにしていたのですが、会場の確保や講師の都合により、現在は木曜の方が多くなっています。

Q3.講義を担当する講師は、現在250名登録されているようですが、講義を聞く立場の人(学生会会員)は何人が登録されているのでしょうか?また、学生会会員の年齢や所在地について整理されたものがありましたら、教えてください。

A3.学生会の会員数は150~160人です。今日の講義では、その内、50人程度の人が参加しました。会員の皆さんの年齢は把握していませんが、平均年齢は70歳前後かと思います。住んでいる所は半分以上の方が西東京市ではないかと思います。

Q4.「東京雑学大学のご案内」によれば、毎週の講義(年間で50回)をすべて受講するとしても、年会費は5,000円とのことで、極めて安価な費用で知的好奇心を満たすことができることに感心しました。費用を安価に抑えるための工夫や努力についてお聞かせください。

A4.地域の方が気楽に参加できるよう、極力安価な費用で学べるようにしています。しかし、使用料が必要な会場もあり、年3回発行の学報(A4版8ページもので、それまでの講義内容等を記録)の印刷費や郵送料がかかるために、必要最低限の費用をいただいています。講師の方には、どんな人にも無料で講義をしていただいておりまして、学報に載せる原稿に対しても、無料で書いて頂いております。これは、講師が雑学大学の精神に共鳴し、大学に対する信頼があるから可能となっていると思います(東京雑学大学では、会員以外の方も講義を聞くことができます。大学のホームページにより、興味がある講義が予定されている場合、当日会場に行き、聴講料として500円を支払えばどなたでも聴講可能となっています)。

Q5.講義の内容などはどのように選ばれているのでしょうか?

A5.講義内容は、下記の通りあらゆる分野にわたっており、特定の分野に偏ることのないようにしています。
「法経系(1.政治、2.経済・経営)」
「理系(3.産業・技術、4.環境・自然、5.健康・医療)」
「文系(6.文学・文芸、7.教育、8.歴史・地理、9.宗教・哲学)」
「一般(10.芸術・芸能、11.生活・まちおこし、12.生涯学習・生きがい、13.趣味・スポーツ)」

講師の具体的な選定は、何回も出講してくださる方もいらっしゃいますし、講師やスタッフからの推薦などがあり、その中から私(理事長)が講座の日程を組んでいます。年間の講義内容が一つのテーマに偏らないようにするために、同じ人の講義は、1年以上の間隔をあけるような工夫をしています。それぞれの専門分野の方々や教授の方々に、積極的にボランティアでご協力いただいています。

Q6.東京雑学大学では、校歌も作成されていますが、どのような時に歌うのでしょうか?

A6.新年会や忘年会の時に歌います。校歌だけでなく、応援歌もあります(応援歌は公募で作りました)。歌詞は、雑学大学の理念を歌いこんだものになっています。

Q7.本日の取材に対応していただいた方は、どのようなきっかけで会員になりましたか?また、年間何回程度講義を聞いていますか?(取材に対応していただいた方々、数名に質問)

A7.(Aさん)たまたま大学のことを聞き、試しに2回ほど講義を聞いたらこれは面白いと思い、会員になりました。もうすでに10年近くになります。年間50回の内、7割程度参加しています。知らないことを知ることができ、参加してよかったと思っています。
(Bさん)会場の設営を担当しているので、すべての講義を聞いています。
(Cさん)隣の練馬に住んでおり、会場も練馬から近いので、練馬の人もぜひ参加されてみてはいかがでしょうか。
※取材に対応された方々は、皆この大学に満足されているようでした

Q8.先生は、東京雑学大学で講義を何回されていますか?また、その感想をお聞かせください。他の所での講義と比較して学生の熱心さはどうですか?(取材日の講師である詩人でフリーライターの高野正美さんに質問)

A8.今回が3回目の講義です。皆さん熱心に聞いて頂いています。雑学大学では、皆さんが私の話に注目し、聞く雰囲気が伝わってくるので話しやすいです。今日の話は「読み聞かせ」についてでしたが、今日の講義をきっかけとして読み聞かせを趣味にしていただければと思っています。

spcomtitle

リンとクー

今回の取材のために2回講義を聞かせていただきました。私より高齢と思われる方々が熱心に講師の話を聞いている姿に感動しました。隣接の自治体においては、全くのボランティアにより20年近く休むことなく、生涯学習が続けられていますので、西東京市の近くにお住まいの方は是非一度参加されてはどうですか。

hirocy

講座会場の50席は、シニアの方々で満席。ユーモアに溢れた内容であっという間に2時間が経ちました。講座の内容も毎回、ユニークなテーマと講師にあふれていて、講師の選定と参加費の手軽さ、そして主催メンバーの運営方法に長い間の努力と工夫が感じられました。

sprepo110_01

取材当日は田無公民館で行われた授業を見学

sprepo110_02

「読み聞かせ」の講義(講師は高野正美さん)

sprepo110_03

講義の後、理事長の菅原さんをはじめ、役員の方々、学生会 会員、当日の講師・高橋さんにお話をうかがいました

sprepo110_04

年3回発行する学報